柱となる選手になるか、“半・レギュラー”にとどまるか――。プロ3年目を迎える門脇誠は岐路に立っている。
昨季は背番号を『5』に変更して臨んだ。開幕スタメンに名を連ね、主に遊撃手として前年を上回る129試合に出場したが、前半の打撃不振が響いて打率.243、0本塁打、21打点、9盗塁。守備でも遊撃手のリーグワーストとなる14失策を含む計16失策を犯してしまい、「あまり良くないシーズンだった」と振り返った。
昨秋のドラフトで球団は九産大の
浦田俊輔を2位指名。スピードが持ち味の小柄な遊撃手で、門脇とはタイプが重なる即戦力だ。さらに、昨季は1年目で66試合に出場した社会人出身の
泉口友汰、シーズン終盤に打力で存在感を示した
中山礼都らが遊撃の1枠を虎視眈々と狙っている。
「もう一度、守備を安定させたい。盗塁ももっとできると思いますし、打率ももっと上げられると思うので頑張っていきます」と本来は自らのベースであり、最大の武器である守備からレベルアップを図ってライバルとのチーム内競争に臨む覚悟だ。
春季キャンプの前には、球団が初めて製作した記録映画の公開記念舞台挨拶に正二塁手の
吉川尚輝と出席。「途中で出られない時期もあった」と昨季を悔しさとともに振り返り、吉川とともに球団史上初となる「二遊間同時ゴールデン・グラブ賞」受賞を目標に掲げた。不動の遊撃を目指す戦いが始まる。
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