DeNAに極上の戦力が戻ってきた。1月27日、
三浦大輔監督や
筒香嘉智らが参加した球団イベントの最終盤だった。集まった約1000人のファンに、T.
バウアーの獲得を報告。会場に映し出された動画で、自信満々の言葉を残した。「絶好調。これまでで最高の状態です。僕自身にとって沢村賞とサイ・ヤング賞を取ることは、野球人生の最高の栄誉だと思っています」。レッズ時代の2020年にサイ・ヤング賞を獲得。2年ぶりにベイスターズのユニフォームに袖を通し「ファンのために優勝を勝ち取ります」と約束してみせた。
自身の問題でMLBでのプレーが難しくなり、23年の開幕前にDeNAへ加入した。「優勝して、リーグで一番の投手になりたい」と当時も同様に目標設定。6度の中4日とフル回転した。沢村賞には届かなかったが、チーム2位の10勝。5月からの1軍登板で、
今永昇太や
東克樹らと先発陣を支えた。メジャー復帰を最優先とし、同年オフに退団。昨年はメキシカン・リーグで年間最優秀投手(10勝0敗)に輝くなど、状態を維持してきた。
今季は開幕からローテーション入りが見込まれる。同僚の東だけでなく、
戸郷翔征(
巨人)や
高橋宏斗(
中日)らタイトル争いのライバルは多いが「一番の選手になれるように、ずっとトレーニングをしてきました」と譲るつもりはない。昨年のチーム防御率はリーグ5位の3.07。背番号96は前回と同じで、1年契約で総額9億円規模という好条件も期待の表れだ。見据えるのは「頂点」だけ。気概に満ちている。