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楽天・辛島航 意図的に球速や変化量を変えて打者に的を絞らせない/生え抜きの輝き

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2023年以来の一軍マウンドを目指して、オープン戦で好投を続けている辛島


気付けば、チームの生え抜きで最古参の選手となった。2009年にドラフト6位で入団しプロ17年目を迎える辛島航。チームに対してはもちろん、本拠地がある仙台市にも愛着を持つ左腕だ。

 昨季は左肩痛の影響で一軍登板なしに終わった。復活を狙う今季は、キャンプから順調な調整を見せている。3月2日の広島とのオープン戦(倉敷)で先発。対外試合の登板は3戦目となったが、3回を投げて無失点。無四球で被安打3、3奪三振を奪う好内容だった。「両サイドを狙って常に投げて、それを振るか見逃すかは分からないので。結果的にいいところに投げられた」と静かな口調で振り返った。

 直球は最速で138キロ。通常運転でも凡打の山を築いた要因は投球術にある。コーナーを丁寧につき、カーブで目先を変える。緩急をつける上で肝になるカーブは、90キロ台に100キロ台と球速を変える。変化球はチェンジアップも含め、意図して球速や変化量を変えることで簡単に的を絞らせない。

 現在の同僚はもちろん、変わらない関係性を築いているかつての仲間もいる。2学年上の田中将大だ。昨オフ巨人へ移籍したが「けがしないように頑張りましょう、とちょっと前に連絡しました」。新天地に移籍しても、刺激をもらう存在だ。

 昨季まで二軍監督としてリハビリの過程も見守った三木肇監督は「期待しているしチームの力になってもらいたい」と期待を込めた。楽天を応援し続けているファンにとっても、思い入れがある一人だろう。酸いも甘いも知り尽くしたベテランが、今年こそ本拠地で白星を挙げる。

写真=BBM

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