
感覚をつかみ、シーズンへ突入した筒香
口調も、足取りも、落ち着いていた。「昨年はシーズン途中からだったので。キャンプインからチームに合流して時間を過ごせているのは、全然違うと思っています」。2月の沖縄・宜野湾キャンプを終えた
筒香嘉智は、さっそく快打を放った。3月4日、本拠地・横浜スタジアムで初のオープン戦となった
ロッテ戦。初回一死満塁から先制打。
石川柊太の外角直球を左前へ運び「今の時期なので、自分のやるべきこと(をやる)という感覚の方が強い」とうなずいた。
「僕の中で一番のモチベーションとなるのが、横浜で優勝を目指すということ」。MLB・ジャイアンツを退団し、昨年4月に
DeNAへ復帰。5月から一軍合流したレギュラーシーズンは57試合で打率.188、7本塁打、23打点だった。確かに数字は厳しかったが、精神的支柱として貢献。大舞台での勝負強さも健在だった。日本シリーズの第5、6戦では先制打、先制ソロで勝利打点を記録。「日本一になれたことはうれしいけど、過去のこと。リーグ優勝(の夢)はかなっていない」と派手に喜ばなかった。
ソフトバンクとの日本シリーズで「打席の感覚が本当に良くなってきた」と実感したという。左翼のポジションは20年首位打者の
佐野恵太らと重複。オープン戦でもほぼ均等に打席を分け合ってきた。オープン戦打率は.129(佐野は打率.235)にとどまったが、18日の
オリックス戦(横浜)では2安打1打点と状態は上向きでシーズンに入った。実績や経験値では群を抜く33歳。開幕からどっしりと座り、安心感を与える。
写真=BBM