一年前とはまったく違う立場にいる。泉口友汰は昨年、春季キャンプからオープン戦までのほとんどを二軍で過ごしていたが、2025年シーズンを経て、今や攻守の柱として期待される一人だ。
「『継続して結果を出さないと』と、各方面から耳にタコができるくらい言われている。それを肝に銘じて、危機感を持ち、すべてにおいてレベルアップしたい」
1年だけ、とは言われたくない。プロ2年目の昨季、開幕一軍を逃しながらも、前年に正遊撃手だった
門脇誠から早々にレギュラーの座を奪った。その勢いは最後まで衰えず、後半戦は主に三番を担って133試合に出場するなどリーグ2位の打率.301をマークした。大阪桐蔭高から青学大、NTT西日本という強豪チームで培った安定感抜群のプレーで、ベストナインとゴールデン・グラブ賞をダブル受賞。「まったく自分では想像していないようなシーズンでした」と振り返った。
ただ、2年ぶりのリーグ優勝を狙う
阿部慎之助監督は、泉口にもレギュラーの座を保証せず、全ポジションを白紙とした。再びアピールが求められる春季キャンプでは、初の実戦となった紅白戦でいきなり安打をマークし、臨時コーチを務めた
松井秀喜氏に自ら質問に向かった。
「『素晴らしい成績を残せたね。(相手に)マークされていくと思うけども、今年も頑張って』とおっしゃっていただきました。すごくうれしかった」と力強い言葉を授かった。
自信と危機感を同時に胸に抱きながら、今季は敵チームの分厚いマークを振り切る。
写真=BBM