ブルージェイズのクリス・コ
ラベロ一塁手が薬物検査で、尿からオラルトーリナブルが見つかったため、80試合の出場停止処分を科された。オラルトーリナブル、略して「Tボール」は、1960年代に旧東ドイツで開発され、五輪選手が使った古いアナボリックステロイドである。
これは筋肉増強より体の回復に役立つもので、先日、フィリーズの新人左腕
ダニエル・スタンフも同じ薬物で、出場停止処分を受けた。不思議なのはなぜいまごろ昔の薬物が出てきたかである。

薬物検査でTボールという古い禁止薬物が検出されたコラベロは無実を強く主張している。毎年検査をクリアできない選手が出てくるのは腑に落ちない/写真=Getty Images
2013年に起こったバイオジェネシス・スキャンダルでは、内部からのリークで顧客リストが漏れ、16人のメジャー選手の名前が挙がったが、MLBの薬物検査で発覚したのはほんの一握りだけ。211試合の出場停止処分を受けたアレックス・
ロドリゲス(ヤンキース)も薬物検査はすり抜けていた。
当時の報道にあったように、彼らが使ったテスタステロン(男性ホルモン)は、使用後早く、体内から抜けていく。時間を計算して夜のうちにうまく使えば、翌日球場へ行くころには、テストを受けても陽性反応が出ない。だから薬物検査に引っかからなかったと。
しかし、今回のオラルトーリナブルは・・・
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