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春季大阪府大会

 

剣道部OBの新監督の下で春初戦8回コールド敗退


PL学園高は3年生のみの選手11人(記録員を含め部員12人)で大阪府大会2回戦[対太成学院大高]に臨み、2対9で8回コールド敗退を喫した/写真=太田裕史


 最後は満塁からレフトフェンス直撃の一打で勝負が決まった。2対9の8回コールド負け。夏を最後に休部を発表しているPL学園高の春は初戦(大阪府大会2回戦)で幕を降ろした。「悔しい。冬にやってきたことを出し切れなかった」。エースで主将の梅田翔大の言葉は自身にも、チームにも向けられたものだった。

 昨夏の準々決勝敗退後、新チームは一般入試で入学の現3年生12人(記録員含め)で立ち上がった。この日の試合前のボール回しも、2→3→9→4→8→6→7→5→2と外野を交えて行い、シートノックでも各ポジション1人で内野ノックの際には外野手がカバーリング。選手11人ゆえの流れが続いた。また試合では相手投手の乱調から5死球。走者の頭に打球が当たり臨時代走の場面もあり、故障、欠場への不安も常に抱える。それでも選手の成長を千葉智哉コーチは口にした。昨秋も初戦敗退だったが、敗れた公立校の汎愛高がベスト8進出。振り返れば“健闘”にも思えたが「秋の試合内容はミスも多くまったく。それに比べれば、今日のゲームのほうがこの子たちなりには戦えていました」

部員再募集の噂もすべては憶測の範囲


 また、この試合では2月17日に就任した川上祐一監督が公式戦初采配。学生時代は剣道部所属で野球経験はない。野球未経験監督の“三代目”となるが、校長兼務だった直近2人とは明らかにベンチの風景も変わった。41歳の若さで体育会系。「子どもたちのことをいつも第一に考えられています」と千葉コーチが話す新監督からは、何より“気持ち”が伝わってきた。

 攻撃時はベンチの最前列に立ち続け、場面、場面では選手に声もかけ、昨年まではベンチメンバーが出していたサインも、この試合では川上監督が出した。練習試合ではベンチに入る千葉コーチからのアドバイスも受けながら戦術も勉強。「選手の邪魔にならないように、やれることはやっていきたい」と思いを口にした。

 実は野球部との縁を持った人物でもある。父はPL野球部の強さの象徴でもあった「研志寮」と剣道部の「研徳寮」の寮長を務めた川上寛祐氏。当時、研徳寮の中に一家は住んでおり、川上監督の小学生のころはまさに野球部の黄金期。「みなさんにかわいがっていただきました」と思い出を口にしたが、甲子園のアルプススタンドからもその強さに何度も触れた。だから、「ユニフォームの重みを感じますし、袖を通すと緊張します」と話す言葉にも実感がこもった。

 来春から部員再募集の噂も聞こえる。5月下旬に室内練習場(野球部専用と関係者は明言しない)が完成予定。新グラウンド建設の噂もあり、これらを“再開”の根拠とする向きもある。ただ、川上もこの種の話題には「何も聞いていません」と返すしかなく、結局のところは憶測レベル。すべては教団トップの思い一つなのだろう。

 ただ、選手、指導者にとっては、60年を超える歴史の重みを感じ、将来を案じながら……、それよりも、だ。頭にあるのは残り3カ月をどう過ごし、大阪の夏をいかに戦うか。夏の目標を尋ねられた梅田主将の言葉に力がこもった。「高校野球をやっていれば(目標は)甲子園です。もう一度基本から一人ひとりやれることをやる。ここを徹底したい」。62期生の12人と監督、コーチが一体となって、ここから。勝利だけを信じ、夏へ続く道を歩んでいくしかない。(取材・文=谷上史朗)
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