プロへの“糧“とする社会人ラスト登板

ヤマハとの1回戦[京セラドーム]で先発した東京ガス・山岡は、1回2/3で6失点降板。オリックスからドラフト1位指名後、社会人最後の大会を有終の美で飾れなかった/写真=太田裕史
山岡泰輔が持つ能力とは何か。それは瀬戸内高時代から話題を呼んだスライダー。軌道やスピードを微妙に変えて投げる“魔球”は、彼のピッチングには欠かせない。また、コンスタントに140キロ台後半を記録するストレート。しなる右腕から放たれる快速球は、身長170センチそこそこのスペックを忘れさせる。そして、何よりも山岡というピッチャーのすごみを感じるのは、その修正能力だ。かつて、東京ガスの菊池壮光監督(明大)は山岡についてこう語ったことがある。
「勉強ができる頭の良さとは違うんですが、頭の良さと回転の早さがあります。たとえば、昨年(2015年)の都市対抗予選でストレートが走らない試合がありました。そんなときでも、チェンジアップやツーシームなど、目先を変える変化球を即席で覚えてしまう。それらのボールが決まって試合を作るんです」
社会人2年目の昨年、公式戦での防御率は1.12。たとえ点を取られたとしても、2点以内に抑えた。数字上は、山岡が先発した試合では攻撃陣が3点以上を奪えば勝利する計算になる。3年目の今年も安定感はあった。都市対抗では1回戦でNTT西日本を相手に3安打完封。結果的に4強進出を果たすチームに、勢いをもたらした。そして今秋、社会人No.1右腕は、晴れて「オリックスドラフト1位」の称号を手にする。
最後まで失わなかったエースのプライド
日本選手権は、山岡にとって社会人野球での3年間の集大成を見せる場でもあった・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン