取材・文=前田恵 
ABLにHondaから吉越投手(右から3人目)と山崎捕手(その左)が派遣。日本野球連盟(JABA)加盟のチームから選手が送り込まれるのは史上初めてだった/写真提供=Honda野球部
きっかけはマリノGMからの手紙
オーストラリア野球最高峰のプロ野球リーグとして2010年、スタートしたABL(Australian BaseballLeague)。16/17年シーズンはホンダ、ホンダ鈴鹿から送られた各2選手(派遣日程はホンダ=11月14日~12月20日、ホンダ鈴鹿=12月26日~1月30日)がシドニー・ブルーソックスでプレーしている。ABLは開幕時からNPBと提携し、過去5球団が選手を派遣しているが、日本野球連盟(JABA)に加盟する社会人チームの選手が参加するのは、史上初のことだ。きっかけは7月、シドニーCEOのマリノ氏からの手紙だった。間もなく都市対抗視察に来日したマリノ氏とのミーティングで、ABL公式戦への参加要請が正式になされた。「選手にとっても野球部にとっても、良い経験になる」と長谷川寿前監督(16年12月で退任)を中心に、ABL参加への検討が始まった。
ホンダというグローバル企業の性格も、それを後押しした。日常業務においても海外支社、関連各所とのやり取りが欠かせず、社内には海外研修制度もある。長谷川監督自身、5年間のアメリカ駐在経験を持つ。そこに野球技術面のみならず、語学力向上を含めた海外研修の意味合いも加わった。コスト、リスク面の課題がクリアになったところで、JABAへ相談。この「研修派遣」に、NPBとの関係も含め契約上、登録上の問題がないことを確認し、いよいよ派遣選手の人選に入った。
「知らない野球、知らない生活、文化を吸収して・・・
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