
2013年に就任した坂田監督は立正大OBで、現役時代は名捕手。社会人野球・シダックス時代には野村克也監督の下で「ID野球」を学んだ。現在の学生にも頭を使った戦術が継承されている/写真=山口高明
昨年は春、秋とも「あと1勝」できずV逸
「天と地を分ける」と言われる東都リーグの一部二部入れ替え戦。今春は専大(一部6位)と立正大(二部優勝)が互いに譲らず、3回戦(6月15日)までもつれこんだ。
3回戦も6対6で9回裏を迎える。立正大は一死三塁の好機を作り、主将・河津和也(4年・日大三高)が打席へ入る。フルカウントからの6球目、落ちる変化球をたたくと、打球は三塁線を破るサヨナラ打となって、2010年春以来、15季ぶりの一部昇格が決定。一塁を回った河津を囲んで立正大ナインの歓喜の輪ができた。その後、胴上げで5度宙に舞った坂田精二郎監督は、深く息を吐きだして言った。
「苦しい戦いでした。やってきたことが間違っていなかった」
立正大は創部61年目の2009年秋に初めて東都を制し、明治神宮大会でも初の日本一となった。ところが、翌春に二部降格。そこから二部暮らしが続いていた。
13年春、坂田監督がコーチから昇格する形で就任する。社会人(シダックス)時代に野村克也氏からID野球を叩き込まれた指揮官は「守り勝つ野球」を掲げ、野球のセオリーや試合の流れ、その中での守りの大切さを選手たちに説いてきた。
14年春には二部で優勝したが、青学大との一部二部入れ替え戦で・・・
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