
三菱自動車岡崎はパナソニックとの1回戦を1点差で惜敗。昨年は会社不祥事による出場辞退だっただけに、今年の出場には大きな意義があった/写真=田中慎一郎
確実な一歩を刻んだ「出場辞退」からの復活劇
三菱自動車岡崎(岡崎市)に衝撃が走ったのは昨春のこと。社業の不祥事により5月のJABAベーブルース杯を最後に野球部は活動を自粛したのだ。この決定により都市対抗の東海予選も辞退。当時について、野波尚伸監督(中大)は「選手には部長から話してもらったのですが、実はあまり覚えていないんです」。大きなショックに包まれた三菱自動車岡崎。7月上旬には活動を再開し「もう一度、作り直していこう」と野波監督は声をかけたが選手のコンディションはなかなか戻ってこない。
「ケガをする選手がたくさん出てしまって、元の状態へ戻るまでに一冬を越さなければなりませんでした」
そして、今季は頂点を目指して戦う意志を表した『頂戦』というスロー
ガンを掲げてスタートした三菱自動車岡崎だったが、チームの調子は上がってこない。「投手陣は仕上がっていたんですが、シーズンが始まったころはずっと負けていました」。4月中旬のJABA日立大会は1勝2敗、下旬のJABA京都大会は3戦全敗でともに予選リーグ敗退。まさにどん底とも言える状況の中で、野波監督が大事にしたのは選手との会話だ。
「練習の合間に選手一人ひとりと・・・
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