
昨年の侍ジャパン大学日本代表でプレーした東洋大・佐藤[写真右]と立大・藤野は、元巨人捕手の加藤健氏から指導を受けた/写真=佐伯要
高いレベルで展開する大学ジャパン正捕手争い
今年のドラフト候補には、大学生捕手に好選手がそろっている。
立大の
藤野隼大(4年・川越東高)、東洋大の
佐藤都志也(4年・聖光学院高)、東海大の
海野隆司(4年・関西高)、慶大の
郡司裕也(4年・仙台育英高)。彼らは今年7月に開催される第43回日米大学野球選手権に出場する侍ジャパン大学日本代表の候補であり、正捕手の座を争っている。
そのなかで藤野と佐藤が読売ジャイアンツ球場の室内練習場(神奈川県川崎市)で開催された「冬季特別トレーニング東日本2019」(2月6日、7日。全日本大学野球連盟ほか主催)に参加。1999年から2016年まで巨人で捕手としてプレーした加藤健氏(現新潟アルビレックス球団社長補佐兼総合コーチ)から、プロで培った技術や考え方を伝授された。
藤野は6日、佐藤は7日にそれぞれ約3時間の指導を受けた。捕球時の左腕の使い方、股関節を柔軟に使った下半身の動かし方、スローイングでのフットワーク……。加藤氏は実演を交えながら、一つひとつの動きを細かく、丁寧に教えた。また、「捕手は人に興味を持て」といった心構えも伝えた。
藤野は「専門的なことを教えていただいた。練習方法も聞けたので、チームに持ち帰りたい」と感謝した。
メニューのなかには、トスされた2つの球を右手と左手でそれぞれキャッチするという練習もあった。
捕手は、捕球時にどうしても、ボールに集中してしまう。そのため、視野が狭くなりがちだ。この練習の狙いは、1つの球を凝視するのではなく、2つの球を同時に見て、視野を広げることにあった。
佐藤は「視野を広げれば、球だけではなく打者の動きも見えて、何を待っているのかが分かる。プロの捕手はこんなところまで見ているのかと思いました」と驚いていた。

指導を受ける立大・藤野/写真=小山真司
元プロの助言により広がったプレーの視野
加藤氏は2日間のコーチを務めた後、「(藤野、佐藤だけではなく)みんな目標を持って、何かを吸収しようという雰囲気があった。いい方向に導いてあげられたらいいですね」と話した。
プロの教えを得た2人。今春のリーグ戦でチームの勝利を追い求めた先には、大学日本代表における正捕手争いが待っている。
藤野は「佐藤、海野、郡司と刺激し合いながら、やっていきたい。彼らにはやっぱり負けたくないですね」と、ライバル心を口にした。
佐藤は「代表候補の捕手はみんな、自分より上だと思っています。加藤さんにもらったヒントを、自分のものにできるかどうか。それができたとき、初めて(ほかの捕手と)勝負できる」と控えめに言った。
藤野と佐藤は、ともに自チームで主将を任されている。
「これまでは自分のプレーに集中していた。主将になって、周りに目を向けるようになりました」(藤野)
「チーム全員が底上げできるように配慮し、チームを勝たせる環境づくりをテーマにやっています」(佐藤)
加藤氏の指導で、プレーの視野が広がった。主将を経験することで、人間的な視野も広がっている。2人を軸にした高いレベルの正捕手争いは、大学日本代表のレベルアップにつながっていく。(取材・文=佐伯要)