
天理高・中村監督は中京大中京高との準決勝で大会新の1試合3本塁打[写真は9回の同点ソロ]を放った河西をベンチで出迎える/写真=井田新輔
ひたむきな取り組みが結実。県3位から躍進した要因
「魔法は解けていませんね」
昨年11月、5年ぶりに明治神宮大会へ勝ち進んだ天理高(奈良)の
中村良二監督(元近鉄ほか)はチームの快進撃を、そう表現した。スタートは決して順風満帆ではなかった。新チーム結成当初は練習試合で一方的に敗れてしまうこともあり、奈良大会では準決勝で智弁学園高に3対13と屈辱の5回
コールド。それでも「このチームは、みんなが素直で、真面目なのが良いところ。仮にスイング練習をするように指示を出せば手を抜くことなくずっとスイングをし続けているんです」(中村監督)と、ひたむきさを失うことはなかった。
下林源太主将(3年)も「自分たちは弱いと自覚したので、弱いチームでも強いチームと戦うためには自信になるものが必要だと思った」と全員に自主練習を呼びかけ、夏休み中は全体練習後に1時間ほど、学校が始まってからは朝5時半からスイングや捕球練習を行ってきた。同時に「ミーティングなどで全員野球という言葉をずっと言い続けてきました」と下林主将を中心にチームが一丸となって戦う意識を強めつつ、技術面も貪欲に学んだ。
その象徴が・・・
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