
1年春からレギュラーの新田が主将として名門・駒大をけん引する[写真=桜井ひとし]
合言葉は「コロナ禍」を残り越えての逆襲V
通算27度の東都大学一部リーグ優勝、11度の大学日本一(全日本大学選手権6度優勝、明治神宮大会5度優勝)を誇る名門・駒大。昨秋のドラフトでは
若林楽人(
西武4位)、
緒方理貢(
ソフトバンク育成5位)、
前田研輝(
巨人育成5位)の3人が指名を受けた。
江越大賀(現
阪神)、
今永昇太(現
DeNA)らを擁してリーグ戦、明治神宮大会を制した2014年秋以来のリーグ制覇を目指して、春の「戦国東都」に挑む。
この2年間は苦しいシーズンを過ごした。19年は春秋連続で最下位も、二部優勝校との入れ替え戦で一部残留。春中止を経た20年秋は開幕から5連敗し、中大、東洋大と同率の3勝7敗の4位でシーズンを終えた(新型コロナウイルスの影響により入れ替え戦は実施せず)。「今年のチームは飛び抜けた力のある選手はいませんが、チーム力で戦うことをテーマに、冬の練習に打ち込んできました。リーグ優勝、大学日本一が今年の目標です」と主将・
新田旬希(4年・呉高)は意気込む。
昨秋、二部優勝校の青学大が自動昇格し今春、一部は7校による2試合総当たりのリーグ戦。入れ替え戦の有無など、運営の詳細は3月13日の理事会で協議される予定である。
自主練習を経て2月10日に活動再開
リーグ戦経験者が並ぶ打線は他校にとって脅威だ。小技のきく小園琉世(3年・福岡工大城東高)、昨秋の首位打者・与倉良介(3年・向上高)らがチャンスメークし、昨秋3本塁打に4盗塁の「走れる四番」
鵜飼航丞(4年・中京大中京高)、1年春からレギュラーを張る新田、
林琢真(3年・東邦高)らがかえす役割を担う。
この2年間、投手陣を引っ張ってきたタフネス右腕・
竹本祐瑛(JR東日本東北)が卒業し、投手陣の整備が目下の緊急課題だ。昨秋5試合に先発した左腕・村越祐野(4年・学法石川高)、1年春の入れ替え戦でチームを救う力投を見せた
福山優希(3年・八戸学院光星高)の2人が左右の両輪として期待を背負う。
昨秋は敗れた7試合のうち4試合を2点差以内で落としている。攻守において細かいミスをなくすことを意識して、冬の練習に取り組んできた。「選手たちの意識は高くなってきた。開幕へ向け、オープン戦で細かいところをさらに詰めていきます」と、大倉孝一監督は自信を見せる。
1月、帰省していた選手たちが合宿所へ戻り、活動を再開しようとした矢先に緊急事態宣言が発令された。グラウンド・合宿所は世田谷区の住宅街にあるため、もし部内に感染者が出た場合、周辺住民へ大きな不安を与えてしまう。野球部は全体練習を取り止め、部員を3班に分け短時間で、密にならないよう配慮した上での自主練習に切り替えた。
東京都内の感染者数に減少傾向が見られるようになった2月10日から全体練習を再開し、18日にはオープン戦もスタート。例年ならば2月にはチームに合流する新1年生も、今年は感染リスクを考慮し、3月中旬の入寮を予定する。「コロナ禍で大変なのはほかの大学も一緒。『この状況を乗り切って優勝しよう!』。それが、今年の合言葉です」と大倉監督は力強く話す。今年のチームスローガンは「逆襲」。逆境を乗り越えての栄冠を目指す。
(取材・文=小川誠志)