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第94回選抜高校野球大会【候補校注目新2年生】

大舞台で力を発揮する前田悠伍(大阪桐蔭高)の対応力

 

昨年11月の明治神宮大会では先発、救援にフル回転して初優勝に貢献した[写真=矢野寿明]


4年ぶりセンバツVを狙う名門校に頼もしい左腕台頭


 名門・大阪桐蔭高にイキの良いサウスポーが現れた。最速145キロのストレートにキレの良いスライダーとチェンジアップを織り交ぜ、三振を積み重ねていく。新2年生左腕・前田悠伍は中学1年時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球の日本代表に選出され世界一を経験するなど、早くから才能を見いだされていた。

 大阪桐蔭高には湖北ボーイズの先輩にもあたる横川凱(現巨人)にあこがれて入学。ベンチ入りは1年秋からで背番号は14も、西谷浩一監督が「どこが相手でも、その場に応じて自分のピッチングができるので頼もしい」と信頼を得ていた。ただ、その一方で西谷監督は「まだ1年生なので、今はのびのびと投げてくれればいい」と過剰な負担を掛けないように配慮。前田自身も「自分一人では勝つことはできないので、先輩の投手陣と力を合わせて勝ち抜きたい」と、マウンドでは自らの力を発揮することに専念してきた。

秋日本一を経験し早くも主戦の自覚


 残してきた実績は申し分ない。昨秋の大阪大会では履正社高との準決勝で先発し、3失点完投勝利。近畿大会では3試合に登板し17回を投げて自責点0と優勝に貢献し、明治神宮大会出場。高校では初の全国の舞台となったが「気負いはなかった」と、サラリと言ってのける強心臓の持ち主。初戦は昨夏の甲子園8強の敦賀気比高(福井)が相手だったが、1点ビハインドの4回表から救援のマウンドに上がると、右打者の内角低めに鋭く落ちるスライダーで空振り三振。5回表には相手クリーンアップから3者連続三振。その後も勢いは止まらず、終わってみれば6イニングで10三振を奪った。6回表には一塁へのけん制球で走者を誘い出しアウトするなど、投手としての総合力の高さも見せつけた。打撃でも同点犠飛を放ち、投打にわたって躍動。チームを逆転勝利へ導いた。

 九州国際大付高(福岡)との準決勝では先発し、同学年の佐倉侠史朗に公式戦初となる本塁打を浴びたものの、7回2失点(チームは7回コールド勝利)。佐倉に対しても、その後の2打席は三振に斬り「(佐倉は)打席での雰囲気があり、意識し過ぎて高めにボールが浮いて打たれてしまいました。ただ、その後は『やり返してやろう』という気持ちがありました」ときっちりと借りは返した。

 広陵高(広島)との決勝では8回から救援。注目のスラッガー・真鍋慧(新2年)との対戦では「どこへ投げても対応してきた」とライトへヒットを打たれるなど1点は失ったが、9回は最後の打者を左飛に打ち取り、初優勝を遂げた。大会を振り返り、「自分の甘さもあって、決めるところで決め切れず、変化球でかわす投球になってしまった場面がありました。真っすぐがあっての変化球だと思うので、この冬はもっとストレートを磨いていきたい」と課題を挙げた。「これからはのびのびと投げるだけではダメだと思うので、自分を一から見つめ直して春には自分の投球のレベルをもう一つ上げたいです」と語った。すでに、下級生としての“甘え”はなく、エースの自覚が漂う。1月28日の選考委員会で出場が確実視されるセンバツで4年ぶり優勝を目指す大阪桐蔭高にとって、心強い存在だ。(取材・文=大平明)

PROFILE
まえだ・ゆうご●2005年8月4日生まれ。滋賀県出身。179cm75kg。左投左打。古保利小2年時から高月野球スポーツ少年団で野球を始め、6年時にオリックスジュニアでプレー。高月中では湖北ボーイズに所属し、1年時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球日本代表として世界一。大阪桐蔭高では1年秋からベンチ入り。先発、救援で活躍を見せ、近畿大会、明治神宮大会優勝に貢献した。
アマチュア野球情報最前線

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