
NTT東日本は第4代表で東京ドーム切符をつかみ、就任2年目の北道監督が神宮の杜を舞った[写真=佐々木亨]
第97回都市対抗東京都二次予選の第1代表決定トーナメントにおけるNTT東日本は、攻撃陣の躍動で勝ち上がった。セガサミーとの初戦は16安打14得点で、延長11回の死闘をサヨナラで勝利。準決勝では9安打7得点でJR東日本を1点差で破った。負けなしで代表決定戦進出を決めた直後の北道貢監督(駒大)にも、一定の手応えはあった。
「攻撃陣は、これまでやってきたことに対して覚悟と自信を持って、よく振れていると思います」
だが、そこからが試練だった。Hondaとの第1代表決定戦、JR東日本との第2代表決定戦、そして東京ガスとの第3代表決定戦と、いずれも1点差で敗れる。まさかの3連敗で第4代表決定戦に回った。北道監督が振り返る。
「それでも、選手たちはたくましかった。明るく、前向きに第4代表決定戦を迎えた」
神宮球場に向けて野球部寮を出発する時も、選手たちは口々に「今日も成長しに行くぞ」と言いながら、“4度目の代表決定戦”に気持ちを高ぶらせたという。
兼任コーチに託した背景
鷺宮製作所との第4代表決定戦。1回表に道原慧(立大)の二塁打を皮切りに1点を先制したNTT東日本は、同点で迎えた3回表に一挙4点を奪って試合を支配する。8年目の
向山基生(法大)、9年目の丸山雅史(国士舘大)、そして今シーズンから加入した元
広島の
韮澤雄也(花咲徳栄高)がそれぞれ長打を放ってチームに勢いをもたらした。
投げては、5回途中から三番手で登板した
多田裕作(拓大)が好投。北道監督いわく「頼もしく、どんな場面でも力を出してくれる」という6年目右腕が、8回裏まで投げて1安打ピッチングを見せた。多田は言う。
「腹をくくって投げました。最後は『堀さんに』という思いで投げた」
2点リードで迎えた9回裏のマウンドには、今年からコーチ兼任となった
堀誠(立正大)の姿があった。二死からヒットを許して走者一塁。それでも、最後は右飛に打ち取った堀が、歓喜の輪の中心で最高の笑顔を見せた。本大会出場を決める瞬間を10年目の堀に託した思いを北道監督はこう語る。
「堀は兼任コーチで、苦労もたくさんあったと思います。自身は10年連続で都市対抗を目指す。一方で、選手も育てなければいけない、と。そういう中で、堀が1年目に神宮で見た景色と、いろいろなものを背負って迎えた10年目の景色は絶対に違うと思ったので、その景色(代表権獲得の瞬間)を堀に見てもらい、それを後輩たちに伝えてほしいと思って最後は託しました」
苦しみながらも最後は勝ち切った。東京4枠目の東京ドームの切符である。昨年は予選敗退で、就任2年目の北道監督にとっては、指揮官として初めて迎える都市対抗本大会だ。
「出場するからには日本一を目指しますが、一戦一戦、ウチらしく戦って、その結果が良い形になればと思っています」
この夏、NTT東日本は2年ぶり48回目の出場となる本大会で、昨年の悔しさも晴らす。(取材・文=佐々木亨)