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第97回都市対抗野球大会【東京都二次予選】

鷺宮製作所が「最後の1枠」 背水の陣で臨んだ経験値 目標は過去最高の4強以上

 

巨人・竹丸が抜けた穴をチーム力で埋め、ラストの第5代表を決めた[写真=佐々木亨]


 鷺宮製作所を率いる就任1年目の狩野卓也監督(東北福祉大)は「最後の1枠」を手にして感慨深く語った。「背水の陣で挑んだ第5代表決定戦。こんなプレッシャーは初めてでした。聞いてはいましたが、想像以上でした」。

 それでも、代表決定戦を戦い抜き、勝ち切ったことで、チームの「経験値が上がる」とも話す。

 第97回都市対抗東京都二次予選。例年であれば、東京都の本大会出場枠は「4」だが、今年は地区持ち回りの枠が東京都に振り分けられ、1枠増で本大会出場権を手にできるのは5チームだった。前日の第4代表決定戦で敗れた鷺宮製作所は、第5代表決定戦で「最後の1枠」に滑り込んだ。

 チームにとって攻撃の象徴である野村工(拓大)の右翼席に飛び込むソロアーチで先制した鷺宮製作所は、6回表には西浦謙太(筑波大)に今予選で自身5本目となる本塁打が飛び出して同点に追いつく。9回表は、リードオフマンを務める島野圭太(帝京大)の右中間三塁打を起点に一死二、三塁。そのチャンスで、四番の保戸田則裕(青森大)の代打で3年目の大井光来(東北福祉大)が打席に立った。

キャリアハイの成績


 大井にとっては、今予選での初打席だ。1ボールからの2球目。想いを乗せた強烈な打球が左中間を襲う。2点を勝ち越す適時打。直後の9回裏、明治安田生命の攻撃を三者凡退に抑えて勝利の瞬間を迎えるのだが、殊勲打を放った大井は、緊迫した場面での打席をこう振り返るのだ。

「チームの四番に座り続けている保戸田さんの代打ということで『絶対に打つ』という気持ちの準備はできていた。『ここで打たなかったら負けてしまう』。そういう思いで打席に立ちました」

 初球、一塁走者の野村が盗塁を決めた。そこでの一球を見ることができたこと、そして併殺の怖さが消えたことで、大井の気持ちに余裕が生まれた。「打った球はカーブ」。会心の一打だった。

「もともとは勝負強くないタイプというか(笑)。高校(鶴岡東高)時代もチャンスで打てなくて、甲子園では13打席で1本もヒットを打てなかったりと大舞台に弱かった。でも、野手では中島(中島優仁=日体大)、花崎(花崎成海=日大)、西浦といった3年目の同期が活躍する姿を見て、勇気をもらえたというか……。『オレも忘れんなよ』という気持ちで打ちました。勝ったことはもちろんそうですが、あの場面で1本出たことが本当にうれしい」

 大井の言葉どおり、攻撃では3年目の選手が中心的な役割を担って2年連続18回目の本大会出場を決めた。投げては、昨年まで在籍していた竹丸和幸(巨人)が抜けた穴を門間滉介(清和大)や菊地郁也(創価大)らが埋めて、東京第5代表の座を射止めた。狩野監督は東京ドームでの戦いを見据えて言う。

「鷺宮の本大会最高成績であるベスト4以上をチームの目標に掲げて、選手はそれぞれがキャリアハイの成績を残すことを目指して挑みたいと思います」(取材・文=佐々木亨)
アマチュア野球情報最前線

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