
シティライト岡山戦の8回裏、左中間を破る適時二塁打を放った佐藤[写真=佐藤友美]
二塁手と右翼手が、譲り合うようにして打球が落ちた。徳島・
吉田篤史監督(元
ロッテほか)は、歯車が狂い始めたのは初回、相手に二塁打を許したこの場面だったと述懐する。
「あれは向こうのプレーヤーだったら、どっちかがぶつかってでも捕る。絶対に譲り合ってない」
4月7日、第49回JABA四国大会に出場した徳島の予選リーグ初戦(阿南市)は、NTT西日本に0対7(7回
コールド)で敗れた。
試合の途中、吉田監督の胸中に「ウチのプレーって、こんなものか?」と情けなさがこみ上げている。
「四国リーグも本来、レベルは低くないはずなんですけれど。今日は自分たちでレベルを下げにいってるから。ちょっと……もう申し訳なかったですね。ほかの3チームを代表して来ているなかで」
9日の第2戦(鳴門市)対三菱自動車岡崎戦にも1対9(7回コールド)で敗れ、決勝トーナメント進出はなくなった。
一人奮闘したのは主将、佐藤靖剛(ミキハウス)だ。社会人野球出身でもあり、この大会に臨む気持ちは人一倍強かった。2試合に大敗した後も、チームを鼓舞し続けている。
「落ち込んでいる場合じゃないというか。自分がなんとしてでも引っ張っていかないと」
第3戦、対シティライト岡山戦(10日、阿南市)の1点差まで詰め寄られた8回裏、左中間を破る適時二塁打を放ち、岡山を突き放す。この1打が勝負を決めた。6対4で勝利し、今大会を1勝2敗で終えている。
多くの選手が入れ替わり、まだまだチームは未完成だ。経験値の高い社会人に勝つことは容易ではない。
だが第3戦、なんとか勝利を手繰り寄せようとしていた選手たちの姿を、吉田監督は「後ろを向いていなかった」と高く評価する。
「あのレベルでやっている人たちに追い付いて、追い越さないといけないから。『その努力はどれくらいしなきゃいけないか、分かるでしょ?』っていうのが、よく分かったと思う。『百聞は一見に如かず』で」
良い経験になった。彼らよりも強くなったその先に、ドラフト指名がある。[リポート/高田博史]