
6月5日、首位決戦となった高知戦の2回裏、3号右越え3ランを放った望月
香川・
望月涼太(東芝)に「得意料理は?」と尋ねると、「唐揚げが一番おいしいです」と即答した。
鶏肉に酒、みりん、青のりなどを混ぜ合わせて1日漬け込む。大学時代から世話になっている北九州市の居酒屋『小倉元兵衛』が、食材からレシピまで送ってきてくれる。
高校、大学、社会人と寮生活だったため、朝昼晩と食事があった。自炊する生活は、今回が初めてだ。
「(栄養が)偏らないように考えて作って。ここに来なかったら多分、そこまで考えなかったです」
四国リーグに飛び込み、野球のことはもちろん、食事、体のケアのことなど、いろいろと考える時間が増えた。今、とても充実している。
打率.370、3本塁打、23打点の成績は、打撃タイトル3部門でトップに立つ(6月6日終了時)。さらに打撃成績表を見れば、『望月涼太』の名前がズラリと並ぶ。安打数、出塁率、長打率、OPSなど、計9項目で1位と、まさに破竹の勢いだ。
「社会人野球にいたのだから、四国リーグで結果を出せるのは当たり前でしょ?」という声に、真っ向から反論する。逆に結果を出せなければ、「そりゃあ社会人で試合に出られないわけだ」と言われてしまう。
「そんな簡単な世界じゃないと思って来ていますし、そう思ってやっているので」
プレッシャーはあって当然だ。だが、目指す場所に向かって挑戦できていることが、とてもありがたい。
会社に残るのか。それとも「NPBに行きたい!」という夢に懸けるのか。悩んでいた昨年の夏、祖父・良郎さんを亡くした。人生において「あのとき、やっておけば良かった」と後悔したくない。葬儀の席で胸をよぎった思いが、挑戦を決意させた。
チームとして優勝を目指すことも、大きなモチベーションだ。
「自分の結果はもちろん大切ですけど、チームのためにやって、自分が結果を出すっていう考えなので。『1つひとつ、チームのために勝とう!』って、みんなで話しています」
香川にリーグ優勝を。そして、秋のドラフトで歓喜の瞬間を迎えるために。この1年、結果を出し続ける。[リポート/高田博史]