
会見終了後、撮影に応じる愛媛首脳陣と薬師神績[やくしじん・いさお]球団代表[前列左]
首脳陣が監督とコーチ4人からなる体制は、独立リーグで初の試みだ。1月21日、愛媛は愛媛県武道館(松山市)で『2022シーズン新体制、監督・コーチ就任会見』を行った。
記者たちの正面に、薬師神績球団代表と、6年ぶりの復帰となる
弓岡敬二郎監督(元阪急・
オリックス)が立ち並ぶ。
武藤孝司野手コーチ(元近鉄)、
伊藤隼太外野手兼任コーチ(元
阪神)、
正田樹投手兼任コーチ(元
日本ハムほか)、
平井諒投手コーチ(元
ヤクルト)もそろった。
あいさつをする薬師神代表の意気込みが“本気”を感じさせる。「先日、このメンバーで話をしたんですけれども、個々の選手の育成と指導に最注力してもらいたい。そのことを強くお願いしました」
新体制に踏み切った最大の理由は、11年の
土田瑞起投手(元
巨人)以来10年間、愛媛からドラフト指名がないことにある。この事実を真摯に受け止めた。首脳陣を再構築することが、そこから脱却するための第一歩だと考えている。
弓岡監督は14年からの3年間、愛媛で監督を務めた。15年に初のリーグ制覇、独立リーグ日本一を達成し、16年には前・後期、年間総合優勝を成し遂げた実績を持つ。
昨年の秋、球団役員が集まり、来季の監督を選考していた。その席に「弓岡氏がオリックスとの契約を満了する」との情報が飛び込む。薬師神代表は「神のお告げだと思いました」と語る。球団の気持ちを直ちに示したいと、すぐさま連絡を入れた。
監督就任の依頼を快諾し、弓岡監督が「なんか、『お告げ』って言うとったから」と笑う。「ありがたいです。これだけ『満場一致で』って言われたら……。そら、こんなありがたいことはないです」
会見では「今年は『優勝』はちょっと、禁句にさせていただきます」と述べた。まったく白紙の状態でスタートするのだ。決して「優勝します! 」などと口に出さない。
今季は地ならしをして種をまき、芽が出るよう選手たちをしっかり育てる。そして近い将来、必ず大輪の花を咲かせることを目標に掲げた。
弓岡監督に期待を寄せる声が、ファンからも多く上がっている。
「なんとか、いい野球ができたらいいと思いますけどね」
前回の監督退任の際に、永久欠番となった背番号『77』を再び背負い、『弓岡パイレーツ』が新たな航海に出る。[リポート/高田博史]