成長著しい19歳の内野手。俊足と堅守を武器にレギュラー争いに挑む。 リポート=岡田浩人 
11月15日のBCLアワードであいさつする茨城・陽
「宗山さんに負けない」
決意の表れだった。
11月15日に横浜市で開催されたBCLアワードで、NPBからドラフト指名を受けた選手たちがあいさつする中、
楽天から6位指名を受けた茨城・
陽柏翔(よう・ぼうしゃん)が宣言した。
「(1位の)宗山(
宗山塁)さんに負けない気持ちを持って頑張ります」
駆け付けたファンやリーグ関係者が大きな拍手を送った。
今秋のドラフトで注目を集めた即戦力遊撃手に対し、同じ遊撃手として勝負するという闘志を見せたのだ。
気持ちの強さが大きな武器である。コロナ禍で予定よりも1年遅れで日本にやってきた。一昨年、茨城・明秀日立高の2年に転入した。そのときから「日本でプロ野球選手になる」と心に誓っていた。あこがれの選手がいた。「親戚にあたる」という
陽岱鋼(よう・だいかん)の日本での活躍を子どものころからテレビで見てきた。
「岱鋼さんのように高校から日本で野球をやりたいと思って来ました」
2年夏に代打や守備固め要員として茨城大会優勝に貢献。チームは甲子園に出場したが、陽の試合出場はなかった。3年夏は茨城大会の準決勝で敗れた。高校卒業後の進路相談で、「1年でも早くNPB入りをしたい」という陽の強い希望を伝えると「監督から独立リーグ入りを勧められた」。今春、BC茨城に入団した。
リーグ3位の盗塁数
ただ、入団直後に陽はレベルの差を痛感したという。
「最初に入団したときはオープン戦で全然打てず、エラーもしました。チームの先輩に自分から教わりに行き、そこで技術を吸収して成長できました」
身長173cmと小柄だが、武器は50メートルを6秒0で走る俊足と内野守備、そしてリーグ戦終盤では思い切りのいい打撃も進化をみせた。21盗塁は新人ながらリーグ3位の数字だった。

50メートル6秒0の俊足を生かした打撃が武器
10月24日のドラフト会議で、楽天から6位指名を受けた。
「最初はびっくりしました。指名があるとしたら育成かなと思っていたので、(支配下の)6位で……小さいころからの夢が叶った瞬間で、この1年間頑張ってきてよかった」
まだ19歳。伸びしろはたくさんある。
「早く一軍に上がって、宗山さんに負けない気持ちを持って開幕一軍を目指して頑張りたい。(茨城ファンには)仙台に行きますが、応援をよろしくお願いします」
11月26日には入団合意に達し、球団を通して「プロ野球選手になるという実感がわき、1日でも早く一軍でプレーする姿を東北の皆さまや家族に見せたいと思いました。ライバルがたくさんいるので、盗塁も守備も打撃ももっと成長できるよう頑張ります」とのコメントを発表した。NPBに舞台を移し、その夢を引き寄せる。
PROFILE よう・ぼうしゃん●2005年1月23日生まれ。台湾出身。173cm74kg。右投左打。小学3年生から野球を始める。日本の高校に進学を希望していたが、コロナ禍のために当初予定から1年遅れの22年春に来日し、茨城・明秀日立高の2年に転入した。甲子園出場はなし。高校卒業後の今春、BC茨城に入団、新人ながら遊撃手のレギュラーとなり、今季は54試合に出場し、180打数45安打、打率.250、21盗塁(リーグ3位)。