神奈川初の指名を勝ち取った151キロの直球と変化球に安定感。早期の支配下昇格を目指す。 リポート=岡田浩人 
巨人と仮契約を結んだ神奈川・冨重[写真=神奈川球団提供]
早くも入寮&練習参加
10月23日のNPBドラフト会議で、巨人から育成1位指名を受けた神奈川の
冨重英二郎(バイタルネット)が、11月15日に都内で仮契約を結んだ。支度金290万円、年俸400万円(金額はいずれも推定)で入団に合意し、翌16日には入寮。17日からは育成練習に参加し、早くもNPBでのスタートを切った。
「1年間戦い抜く体力をつけて、早い段階で支配下に上がって、早く巨人の一員として優勝に貢献できるように頑張りたい」
今季のBCリーグで最も注目を集めた左腕。練習生契約から始まり、開幕前に選手契約を結んだ。新入団選手ながら開幕投手に抜てきされると、シーズン途中で最速151キロをマーク。鋭いスライダーを低めに集める制球も良く、リーグ戦では抜群の安定感を見せ、10試合に登板して3勝2敗、防御率2.01の数字を残した。また今季創設されたNPBファームとのチャレンジカップでは巨人三軍、
西武ファーム、
ソフトバンク三軍を相手に3試合で計7回を投げて失点1と好投した。
「BCリーグでは試合数をたくさん投げることができ、NPBチャレンジカップなどでレベルの高い打者と対戦できて、貴重な経験になりました」
ファンのために腕を振る
神奈川県横須賀市の出身。5歳のときに始めたティーボールで野球の楽しさを知った。中学2年生から本格的に投手を始めると頭角を現し、東海大相模高では3年夏に投手陣の一角を担い、激戦区の神奈川大会を制して甲子園出場を果たした。
その後、進学した国際武道大では1年秋からベンチ入りも、左肘を痛めてしまい手術を経験。「2、3年生のときはまったく投げることができませんでした」。4年春にようやく実戦復帰し、大学野球選手権では東京ドームのマウンドを経験した。
卒業後は社会人のバイタルネットに入団するが都市対抗予選が終わった昨夏に退社を決意。登板機会を求め、独立リーグから「NPB入りを目指したい」と挑戦を決断した。
創設6年目の神奈川球団から初のドラフト指名を勝ち取った。11月14日に東京・品川で開催された「BCLアワード」では
大勢のファンから祝福を受けた。
「結果を残すことでこんなに喜んでくれる人たちがたくさんいることが分かりました。次は巨人ファンのために全力で腕を振っていきたい」
退路を断っての挑戦から1年でNPB入りの夢をつかんだ冨重。今度は育成から一軍での活躍の夢をつかむため、全力投球を誓っている。

今季は3勝も安定感は抜群で左腕の先発候補として期待が懸かる
PROFILE とみしげ・えいじろう●2001年6月1生まれ。神奈川県横須賀市出身。178cm82kg。左投左打。5歳でティーボールを始め、小学3年からリトルリーグ、中学ではシニアリーグでプレー。東海大相模高では2年春と3年夏に甲子園出場。国際武道大では1年秋からベンチ入り。4年春にはリーグ戦で優勝し大学選手権に出場。卒業後はバイタルネットを経て、今季神奈川に入団し、10試合に登板、3勝2敗、防御率2.01。