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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

当初予定から約3カ月遅れ、120試合制で開幕したプロ野球。従来とは異なる2020年用の特別ルールとは?【前編】

 

当初予定の3月20日から約3カ月遅れ、120試合制で開幕したプロ野球ですが、従来とは異なる2020年用(1年限定)の特別ルールが用いられると聞きました。どのようなルールですか?

 選手の健康を第一に考えての今季限りの特別ルールで、6月10日に日本野球協会(NPB)とプロ野球選手会の事務折衝(リモート会議)により大筋で合意に至りました。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が約3カ月遅れ、すでに6連戦が続く過密日程となっています。また、すでに9連戦が予定されている月もあり、仮に雨天中止などの影響で予備日に試合が入ると、それ以上の大型連戦となる可能性も否定できません。これらのことから、新型コロナウイルス対策連絡会議の専門家チームからは選手の心身の負担を軽減する特別ルールについて提言を受けていたことで、今回の策定につながりました。

 具体的なルールの中身ですが、まず、一軍の登録人数が従来の29人から31人へ変更となり(プラス2人)、試合に出場できるベンチ入り人数も25人から26人へ拡大されます(プラス1人)。また延長は現行の12回までから、10回の1イニングのみ行うように縮小されることも決まりました。当初は3時間半などの試合時間の制限も議論されたようですが、時間による打ち切りは行われません。

 また、開幕が6月19日に遅れたことで、新外国人選手やトレードなどの新戦力を獲得できる期限がこれまでの7月31日から9月30日へ延長されています。

 外国人枠に関しても、臨時実行委員会が行なわれ、一軍に登録可能な外国人を4人から5人に拡大することと、同特例の運用方法が正式に決まりました。一部制限が加えられた助っ人5枠の運用方法、出場選手登録日数の取り扱いについては次号で説明します。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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