2021年度の規則改正で、“ファウルチップ”について変更になる予定であることがこのコーナーでも紹介されていました。最終的に、どのような形になったのですか。[後編] 前号(3月22日号)では、ファウルチップに関する定義34の変更と【注】の削除について紹介しました。今回はそれに関連し、野球規則5.09(a)(2)【原注】の変更内容について解説します。なお、5.09(a)は“打者アウト”について定めた項で、2020年度までは以下のような文言でした。
「(2)第3ストライクと宣告された投球を、捕手が正規に捕球した場合。【原注】“正規の捕球”ということは、まだ地面に触れていないボールが、捕手のミットの中に入っているという意味である。ボールが捕手の着衣または用具に止まった場合は、正規の捕球ではない。また、球審にはね返ったボールを捕らえた場合も同様である。 チップしたボールが、最初に捕手の手またはミットに触れてから、身体または用具に当たってはね返ったのを、捕手が地上に落ちる前に捕球した場合、ストライクであり、第3ストライクに当たるときには、打者はアウトである。また、チップしたボールが、最初に捕手の手またはミットに当たっておれば、捕手が身体または用具に手またはミットをかぶせるように捕球することも許される。」 21年度で変更が加えられたのは改行後の部分で、以下のような文言となりました。
「チップしたボールが、最初に捕手の身体または用具に触れて、はね返ったものを捕手が地上に落ちる前に捕球した場合、ストライクであり、第3ストライクにあたるときには、打者はアウトである。」 従来は「捕手の手またはミット」と限定されていましたが、今年度より
「捕手の身体または用具」と判定基準が広くなりました。
[文責=編集部]