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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

学童野球において2022年度から新ルールが導入される。それはどのような内容?

 

学童野球において、2022年度に新ルールの導入があると聞きました。どのような内容ですか。

 公益財団法人「全日本軟式野球連盟」が学童野球の新ルール導入をホームページ上で発表、2021年12月27日に改訂版がアップされています。新ルール導入の目的は、学童期におけるヒジや肩の障害を中心とした野球障害を予防することで、22年シーズンから適用されます。今回導入される新ルールは以下の2点で、(1)は22年度より全国一律で実施、(2)は22年は全国大会のみで採用、23年より全国一律で導入されます。

<導入される新ルール>

(1)6回制・時間制限(1時間30分)の採用

(2)ホームベースサイズの拡大

 (1)について従来は7回制とされてきましたが(※時間を含め所属の各連盟に独自規定あり)、イニングについては1回減らし、6回戦と改められました。時間についても1時間30分を限度とし、この時間経過後は均等回完了をもってゲームは終了と短縮されます(つまり6回未満でも1時間半経過後は試合終了)。これらはいずれも投手ならびに捕手の投球数(返球数)の減少と、時間短縮による健康管理が目的です。

 (2)について、これまで学童野球では幅15インチ(38.1センチ)のホームベースを使用してきましたが、一般用(プロでも使用)の幅17インチ(43.2センチ)のものにサイズが拡大されます。サイズが拡大された分、ストライクゾーンの幅も広がり、投手の負担を軽減させる狙いがあります。

 全日本軟式野球連盟はホームページ上で「本連盟医科学委員会が中心となり、競技者を守るための有効なルール制定を目指し、『競技の本質的側面を損なうことなく』、『スポーツ医学的観点と現場の意見を踏まえ』検証を実施し、決定いたしました」と説明、「今後も競技者を守るため、引き続き検証・検討を進めていきます」としています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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