週刊ベースボールONLINE

伊原春樹コラム

伊原春樹コラム「ペナントレースを盛り上げてくれそうな新人 抜群の安定感を見せる竹丸和幸 魅力的な巨人1位左腕の投球」

 

巨人の開幕投手を務めるドラフト1位左腕・竹丸。シーズンでどのような投球を見せてくれるか、楽しみだ[写真=川口洋邦]


 間もなく今季のプロ野球が開幕するが、今年も新人選手がペナントレースを盛り上げてくれそうだ。特にセ・リーグに魅力的な新人が多い。まずは鷺宮製作所からドラフト1位で巨人に入団した竹丸和幸だ。オープン戦では3試合に登板し、防御率0.75をマーク。12回で16三振を奪っており、奪三振率は12.00と相手を圧倒するピッチングができる。

 直球は常時140キロ台後半を記録するが、コントロールが非常にいい。オープン戦でも与四球は3。投手の制球力と安定感を示す指標であるK/BBは5.33と抜群の数値を示しているから大崩れすることはない。

 マウンドでの佇まいもベテランかと見まがうほどの落ち着きだ。3月20日、楽天とのオープン戦(東京ドーム)では2回一死から浅村栄斗に高めのスライダーを左中間席にたたき込まれた。2月の紅白戦から実戦14イニング目で初失点となったが、表情ひとつ変えない。宗山塁を遊飛、オスカー・ゴンザレスを空振り三振に仕留めて最少失点でこの回を終えると、再びスコアボードにゼロを刻んでいった。

 昨年まで3年連続2ケタ勝利を挙げた山崎伊織が右肩のコンディション不良で離脱したことで、竹丸が27日、開幕戦のマウンドに立つ。巨人では新人が開幕投手を務めるのは64年ぶりだという。強力な阪神打線を相手にどのようなピッチングを見せてくれるか、非常に楽しみだ。

 中日のドラフト1位、2位の中西聖輝櫻井頼之介も大きな戦力となりそうだ。オープン戦で中西は4試合16回2/3を投げて防御率2.16、櫻井は4試合16回を投げて防御率0.00。投手力に優れる中日でストロングポイントをさらに強力にする存在だ。中西は140キロ台後半の直球にカーブ、スライダー、フォークなどの変化球にキレがあり、竹丸同様にマウンドで動揺する姿を見せない。開幕先発ローテーション入りは確定だろう。櫻井は身長175cmと上背はないが、力のある直球と変化球を低めに集める投球が素晴らしい。

 広島のドラフト1位・平川蓮も面白い。スケールの大きいスイッチヒッターだが、オープン戦では上位で起用され、打率.323をマーク。コンタクト能力が高く、どんなボールに対しても非常にうまく打つ印象だ。広島には同3位の勝田成もいる。身長163cmと小柄だが、動きは俊敏。内野守備も堅実で打撃も粘り強い。チームが生まれ変わる時期の広島でスタメン出場の機会も多くなるのではないか。

 右脚肉離れで出遅れていた阪神のドラフト1位・立石正広は20日、ファーム西地区・オリックス戦(SGL)で満塁弾。大学生No.1野手の実力は本物だが、阪神は一軍のレギュラーがほぼ固まっており入り込む余地はなかなかない。阪神ベンチがどのような起用法を見せていくか興味深いところだ。

 もちろん、ここに挙げた以外の新人が台頭してくることにも大いに期待したい。とにかく、新たにプロ野球界に飛び込んできた選手たちが真価を発揮してくれれば、ペナントレースはさらに白熱していく。

PROFILE
伊原春樹/いはら・はるき●1949年1月18日生まれ。広島県出身。北川工高(現・府中東高)から芝浦工大を経て、71年ドラフト2位で西鉄入団。76年巨人に移籍し、78年古巣ライオンズに復帰して80年限りで現役引退。通算成績は450試合出場、打率.241、12本塁打、58打点。81〜99年に西武で守備走塁コーチを務め、西武黄金時代の名三塁コーチとして高い評価を受ける。2000年阪神コーチ、01年西武コーチから02〜03年西武監督、04年オリックス監督を歴任。07〜10年巨人ヘッドコーチを務め、14年は西武監督。現在は野球解説者として活躍している。
伊原春樹の野球の真髄

伊原春樹の野球の真髄

座右の銘は野球道。野球評論家として存在感を放つ伊原春樹の連載コラム。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング