スタンドからのヤジの多さはパ・リーグ共通
ある読者から、「好きな球場、思い出に残る球場はありますか?」との質問をいただいた。
好きだったのは、後楽園球場。雰囲気が良かった。「四番、キャッチャー・野村」のアナウンスとともに、スタンドから拍手が沸き起こる。拍手に送られて打席に入るのは、最高に気分のいいものだ。東京と大阪の違いか、大阪球場は本拠地であっても、打席ごとには拍手をもらえなかった。3打席連続でヒットを打ち、ようやく4打席目にパラパラ拍手をもらえる程度だった。
半面、ヤジは多かった。いや、ヤジの多さは大阪というよりパ・リーグの特徴だったかもしれない。藤井寺も駒沢も多かった。一番静かだったのは、西宮球場。阪急沿線で、高級住宅街に囲まれた環境のせいもあったのだろう。ただ、お客さんはいつも少なかった。
南海の本拠地・大阪球場はとにかく狭く、ホームランが出やすかった。ついには1972年、両翼84メートルから91.4メートルに拡張された。それまで張本(
張本勲=東映ほか)に、よくこう言われたものだ。
「もうホームラン王はあきらめた。あんな狭い球場を本拠地にしているノムさんには到底勝てないから」
それで彼は、首位打者狙いに切り替えたそうだ。
球場が広ければ、遠くへ飛ばさなければいけないとか、ボールを強く叩かなければいけないとか、それこそ“欲”が出てしまう。一方、狭い球場では、ホームランが入りやすいと分かっているから、バッターは優位な気持ちでバッターボックスに立つことができる。自然と力が抜けていくわけだ。
意外と知られていないのが、後楽園の・・・
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