11月4日にソフトバンクとDeNAによる日本シリーズも決着がつき、セ・パを代表する2球団が激しく火花を散らした一方で、惜しまれながらもユニフォームを脱ぐ決断をした者たちもいる。引退選手にスポットを当てるオフ恒例の『惜別球人』。17年は背番号105の育成選手からスタートし、新人王、ゴールデン・グラブ賞を獲得するなど、“育成の星”と言われた巨人の松本哲也だ。 取材・構成=坂本匠、写真=高原由佳(インタビュー)、BBM 
10月6日には都内球団事務所にて引退を発表。「育成選手の励みになれたかな」とすっきりした表情で語った
引退で楽になったのは食事
小柄な体を目いっぱい使ったスピード感あふれるプレーと、代名詞ともなったダイビングキャッチで、G党のみならず、野球ファンから愛された。2017年は新人年以来の一軍出場なしに終わったが、二軍では99試合に出場し、打率.288、13盗塁。突然の引退発表にはチームメートも驚きを隠せなかった。 ──11年間、お疲れ様でした。10月6日の引退発表から1カ月弱、これまでならばポストシーズンや秋季キャンプなどで体を動かしている時期ですが、ユニフォームを着ていない毎日をどう過ごしているのですか。
松本 それこそ学生時代からずっと野球をやってきた人生でしたから、正直「何をしたらいいのかな?」という感じで過ごしています。引退会見の翌日に、ファーム日本選手権(巨人対
広島、宮崎)に出てから、一切運動をしていないので、だいぶ体がなまってきていますね。現役時代のオフシーズンもまったく体を動かさないのは5日間くらいで、走ったりはしていましたから。いまはそれもしていなくて、その代わり、これまであまり多くとれなかった家族との時間を大切にしています。引退して楽になったのは食事です。動くとすぐに体重が落ちてしまうタイプだったので、シーズン中はなるべく68キロよりも落とさないように無理矢理に量を食べてキープしていたので。これより減ってしまうと、体がフワフワしてドッシリ感が出ないんですよ。もうそこをケアする必要もないので食べる量はだいぶ減りました。
──あらためて、引退を決断した理由、経緯を教えてください。
松本 今年、1年間ずっと二軍にいて、一軍に1度も上がれなかったことが・・・
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