投手ながら高校、大学で主将を務めた人間性は、相当のレベルと言える。重圧がかかればかかるほど、意気に感じるタイプ。指名順位は関係ない。日本ハムからの期待は、非常に大きいものがある。 取材・文=小中翔太 
ドラフト当日は指名されると、感極まって涙を流した。チームを背負えるだけの人としての魅力が詰まっている[写真=宮原和也]
ストレートの球質と思考力の高さは、大学生の域を超越している。大学最後のリーグ戦では、投げるたびに状態を上げた。開幕カードの神戸学院大1回戦では6回5安打2失点と試合を作りながらも、打線の援護に恵まれず敗戦投手に(0対2)。その後も同じような展開が続いていたが、ドラフト前最後の試合となった大経大1回戦で1失点完投(3対1)し、今秋初勝利。最終節の大阪学院大1回戦では8回1安打無失点、8奪三振の好投で、リーグ戦通算14勝目を挙げた。
「次のチームにつなげる意味でも、終わり方という意味でも、今日、しっかり勝つというのが一番大事だったので、勝利に導ける投球をしようと思っていました。初回の先頭に四球を出したことは反省点ですが、要所ではメリハリをつけて抑えられたのは良かったかなと思います」
新チームを見据え、最終回は努力家の3年生右腕・奥誠也に譲ったものの、エースにふさわしい学生ラスト登板だった。
この投球が開幕時から発揮できなかったのには理由がある。新型コロナウイルス感染拡大に伴う京産大の部活動制限は非常に厳しいものだった。全体練習ができない、施設が使えないどころではなく約2カ月間、寮の自室からも出られない。キャッチボールすらできない中でも・・・
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