25年ぶりのパ・リーグ制覇を遂げたオリックス。日本シリーズではヤクルトに惜敗したが、堂々の戦いぶりだった。来年こそ、悲願の日本一を目指す中で、2つの強力なツールが加わることになる。 取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明 
この1年間で、打撃が急成長。今秋は初めて打率3割越え(.359)を果たし、初のベストナインを満票で受賞している
守備と走塁にスランプはない、と言われる。
渡部遼人は大学4年間8シーズンで、この2つの分野をノーミスで終えた。1年春から東京六大学リーグ戦に出場して、4年秋まで77試合で無失策の不動の中堅手。50メートル5秒9の俊足を生かした広い守備範囲で、どんな打球も難なく処理する。神宮での「渡部エリア」は、語り草となっていたほど。就任2年目の慶大・堀井哲也監督は三菱自動車岡崎、JR東日本を率いた社会人時代を含めて、渡部の守備力を「前後、左右に、スローイングと欠点がないセンター。私が指導してきた中でNO.1です」と認める。
異次元のスピードを生かし、次塁を狙い、走ることに意欲的だった。リーグ戦通算24盗塁で失敗ゼロ。30年ぶりの春秋連覇を遂げた今秋のリーグ優勝後の記者会見で、渡部は達成感を語っている。「1年時から自信を持ってやってきた。とにかく、チャンスをつくる意味で走っています。アウトにならず、チャンスをつぶさず、流れを持っていける選手に近づけたのかな、と。アウトにならなかったことは一つ、自信にしていきたい」。
年末年始返上で“秘密特訓”
世田谷西シニアでプレーしていた中学1年時、高校野球の夏の神奈川大会を観戦した。
「保土ケ谷球場で桐光学園高の試合を見ると、ゲーム運び、プレースタイルを見たときに・・・
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