力強い真っすぐの回転数は、すでにメジャー級の驚異の数値をたたき出す。そこに、キレ味鋭い変化球も相まって、打者を翻ろう。大学での4年間で大きな自信を手にした右腕は、意気揚々とプロの世界に挑む。 取材・文=菅原梨恵 写真=牛島寿人、矢野寿明 
現在の最速は156キロ。プロ入り後すぐの160キロ超えに意欲を燃やす
見る者を惹きつける力がある。10月26日のドラフト会議で
ソフトバンクから2位指名を受けた
岩井俊介は、指名直後に行われた会見の席で、緊張が薄れていくとともに人懐っこい笑顔を浮かべた。記者からの質問に対する受け答えからは、明るいキャラクターも感じ取れる。そんな人柄もさることながら、最大の魅力はやはり、その投球だ。
やや右腕を下げたスリークオーター気味の投球フォームから投げ込まれる真っすぐは、実に力強い。最速156キロという球速とともに、それを示すのがボールの回転数。なんと、2780回転をたたき出す。NPB投手の平均が2300~400回転ほどと言われており、2700回転超えとなるとメジャー・リーガーの一線級にも匹敵する驚異的な数値だ。
「ジャパン(大学日本代表)合宿(の初日のブルペン)で測定したときに出ました。それまでは測ったことがなかったので、まったく知らなかった。自分でも『こんなに出てるんや』と思ってビックリしたんですよね」
数値として自分のボールのすごさを目の当たりにしたことで、あらためて自信が湧いた。
「リリースの瞬間まで力を抜いていて、リリースの瞬間に100%の力を込めて投げるんです。ボールを強く握る感じで。それが回転数につながっているのかなと思っています」
ただ・・・
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