社会人投手はキャリアからも、プロから見れば「即戦力」の活躍が求められる。森脇亮介は“修羅場”と言える都市対抗のマウンドも経験しており、先発だけでなく、救援起用の幅も広がる。 京都の公立校・塔南高では3年間で甲子園出場はなかったが、球速は140キロを超え、スカウトの目に留まる存在だった。日大では2年時にリーグ戦デビューを果たすと、着実に成長した。社会人野球のセガサミーでは、1年目から都市対抗の先発マウンドを任されるまでになった。今年の社会人はドラフト候補に挙がる投手が例年に比べて少ないことから、ドラフト直前までマークを続ける球団は多いのではないか。粗削りな部分はあるが、まだまだ伸びしろを感じさせるタイプの投手である。
投球フォーム(8.0)は走者がいない場面でもセットポジションで投げる。テークバックが小さい独特のフォームで打者には球の出どころが見えにくい。腕の振りも強いし、球の回転もいい。トップで間がつくれないことがあるので、そこは今後の課題。投げ急ぐことだけに注意してブルペンで投げ込んでほしい。
150キロを超えるストレート(9.0)は球威十分。アマチュアの投手ではトップクラスだろう。短いイニングを投げる際には、平均球速も上がる。先発時にコンスタントに140キロ台中盤を計測するようになれば、長いイニングを任せることができる。
変化球(8.5)は多彩。特に目を引くのが縦のスライダーだ。リリース時に手首が寝ないで、うまくキレている。打者の手元で鋭く曲がるので、決め球に使えている。緩いカーブや落ちる球の精度を上げていけば、プロの打者にも十分通用するだろう。カウントを簡単に取れるようにしたり、緩急をうまく使うことも重要になる。
制球力(7.5)は直球、変化球ともにまだアバウトな部分がある。ピンチの場面では力が入り、勝負球が甘く入るケースもあるので、日ごろの練習からきっちりコースに投げ分ける練習を積んでほしい。右打者の内角への制球ができれば、縦のスライダーはさらに威力が増す。
投球術(7.5)は改善の余地がある。一つひとつの球は素晴らしいので、それを生かす配球や打者を打ち取るパターンの確立に励んでもらいたい。どの球でどのように打ち取るのか、マウンドでイメージしながら投げることが大事だ。
けん制やクイックはまずまずで、投手守備(8.0)は及第点。課題を挙げるとすれば、バント処理の一歩目のスタートがやや遅いこと。次の塁で刺す意識を持って素早いチャージを習慣にしてもらいたい。
打者に向かっていく姿勢は感じられるので、メンタル(8.0)は強い。今後もこのスタイルを貫いてほしい。ただ、ピンチの場面では熱くなり過ぎず、頭は冷静にすること。自分を見失うと、プロでは痛い目にあう。体力(8.0)の強化も必要だ。社会人では先発、中継ぎをこなしているが、長い回を投げるスタミナには不安もある。下半身、体幹を鍛えて連投もできる体にしてほしい。
総合力(8.0)、将来性(8.5)には高い点数を付けられる。
ソフトバンクの
五十嵐亮太や
サファテのように、セットアッパーや抑えの適性を感じるタイプ。制球力に磨きがかかれば、1年目から試合終盤で使える投手になれると思う。
■採点表 投球フォーム 8.0 ストレート 9.0 変化球 8.5 投球術 7.5 制球力 7.5 守備力 8.0 メンタル 8.0 体力 8.0 将来性 8.5 総合力 8.0 合計 81.0 ※採点の基準は2016年のドラフト対象選手
PROFILE もりわき・りょうすけ●1992年7月13日生まれ。京都府出身。174cm 66kg。右投右打。塔南高では1年春からベンチ入りし、エースとなった同秋は府3位で近畿大会出場。2年夏は府8強、3年夏は同4回戦敗退。日大では東都二部で2年秋から登板して通算8勝。セガサミーでは入社1年目に都市対抗、日本選手権に出場、最速152キロ。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ。