旧チームの右腕・島孝明(ロッテ3位指名)が抜けた昨秋、新エース・金久保優斗はフル回転の活躍で7年ぶりのセンバツ出場へと導いた。中学時代から大舞台での経験が豊富で、春の甲子園をステップの場としたいところだ。 東海大市原望洋高では1年時からベンチ入りを果たすと、順調に成長している右腕。1学年上にはロッテに入団した島孝明がいて、身近なお手本を見ながら経験を積んできた。昨秋の関東大会ではエースとしてチームをけん引。完投能力、試合を作る能力の高さが目を引いた。冬を越えて、どこまで伸びているか。今春センバツでは甲子園の舞台でどんな投球を見せてくれるか楽しみだ。
腕の振りは良く、投球フォーム(7.5)はまとまっているが、どうしても上半身の力で投げる傾向が見られる。ステップする左足が定まっていない印象を受ける。下半身をうまく使えるようになれば、もっと球速が出る。下で投げる感覚を普段のブルペン投球から意識して取り組んでもらいたい。
最速147キロのストレート(8.5)は球威十分。高校生ではトップクラスだろう。昨年は2年生ながら夏の千葉大会で先発として経験を積んだことで、自信を持って投げられている。ただ、上半身に頼って投げている球は
シュート回転するので、まずは右打者のアウトローへの精度を上げていくことが必要だ。
変化球(7.5)はスライダーが軸になっている。手先が器用な印象で、左打者の外角に投じる「バックドア」も投げられている。小手先で投げることもあるので、やはり下半身主導で投げ込んでいくことが大事になってくる。ファウルで粘られると球数も増えてしまうので、チェンジアップなどウイニングショットで使える球種を習得してほしい。
制球力(7.5)はまずまずだが、力むと逆球になる傾向があるので、日々の練習から両サイドにきっちり投げ分けることを徹底してほしい。ストライクを取れる球種を持っていれば、有利なカウントで打者と勝負することができるようになる。投球術(7.5)では、打ち取るパターンを増やすことが求められる。勝負球から逆算して配球を組み立てたり、打ち気にはやる打者に対しては、初球から打たせて取る術も身につけてほしい。そのためにはマウンドから打者を観察することだ。
フィールディングは良く、守備力(8.0)は高いレベル。バント処理の一歩目のスタートは素早いし、各塁への送球も安定している。走者を背負った際にもけん制をうまいタイミングで入れたり、気を配りながら投げられている。
メンタル(8.0)は強い。打者に向かっていく気持ちを忘れずに継続してほしい。ただ、ピンチの場面では頭を冷静にすることも身につけてもらいたい。
体力(8.0)は、まだトレーニングが必要。全体的に細身の体なので、まずは下半身の強化に取り組んでもらいたい。地肩が強く投げるスタミナはあるので、終盤まで球威が落ちず、制球を乱さないようなタフな肉体にしてほしい。
総合力(8.0)は高校生レベルでは及第点。上のステージでも先発としてやっていけるポテンシャルを持っている。速い球を投げられることが一番の魅力で将来性(8.5)も十分である。
甲子園での投球内容次第では、各球団のスカウトの評価はさらに上がっていく素材だろう。
■採点表 投球フォーム 7.5 ストレート 8.5 変化球 7.5 投球術 7.5 制球力 7.5 守備力 8.0 メンタル 8.0 体力 8.0 将来性 8.5 総合力 8.0 合計 79.0 ※採点の基準は2017年のドラフト対象選手
PROFILE かなくぼ・ゆうと●1999年11月4日生まれ。千葉県出身。180cm72kg。右投左打。八千代台小1年から北東タイガース(軟式)で野球を始める。八千代台西中では佐倉シニアに所属。3年夏にエースとして全国大会、ジャイアンツカップ優勝。東海大市原望洋高では1年秋からベンチ入りし、2年秋から背番号1を着け、県大会優勝、関東大会準優勝。最速147キロ。変化球はスライダー、フォーク、カーブ。遠投90メートル。50メートル走6.4秒。