東北の雄・東北福祉大には今年も、野球をよく知った好選手がいる。決して派手なプレーはないが、チームのために献身的に動くその姿勢は、プロスカウトもクギづけ。仙台六大学リーグから神宮へ、ラストシーズンを「日本一」で飾るつもりだ。 取材・文・写真=高橋昌江 
▲攻守に存在感抜群の佐藤。主将ナンバーの「10」を着けて戦う
定位置獲得の2年秋から、3季連続でベストナイン かつて、東北は「野球不毛の地」と言われた。この地方で、「中央に追いつけ、追い越せ」を合言葉に、昭和の終わりごろから全国大会で上位進出し、1991年に全国制覇を成し遂げたのが東北福祉大だ。62年の創部以来、プロ野球界には43人の選手を送り出した。日米通算381セーブ魔神・
佐々木主浩氏、プロ生活21年で1492試合連続フルイニング出場の記録を持つ鉄人・
金本知憲氏を輩出。
楽天・
斎藤隆、
中日・
和田一浩は40歳を越えてもなお、現役で活躍を見せている。
そんな東北福祉大で、今年もまた、プロを視野に入れて白球を追っている選手がいる。遊撃を守り、主将を務める佐藤卓也だ。「プロしか考えていません」と、きっぱりと言い切る。
佐藤は2年秋から二塁のレギュラーとなり、打率.378を残した。3年春から遊撃を守り、打率.395をマーク。そして、3年秋は打率.455、14打点と自己最高の成績を残した。レギュラーの座をつかんでから3季連続でベストナインを獲得している。ところが、今春は第4節を終了し、打率.150。右肩上がりで順調に成長してきた学生野球で今、壁にぶち当たっている。
「こんなに変わるものかというくらい、打撃の感覚が悪い方に変わってしまいました。甘い球に手が出なかったときに、感覚の悪さを感じます」
誰にも負けないのは野球への情熱 沖縄・久米島キャンプ後の3月のオープン戦では、社会人の強豪チームなどと対戦しても毎試合のように安打を量産・・・
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