第89回選抜高校野球大会の出場32校が決まる選考委員会は、1月27日に行われる。7年ぶりのセンバツが有力視される東海大市原望洋高(千葉)には、プロ注目右腕がいる。昨秋の公式戦をほぼ一人で投げ抜いた責任感の強い背番号1だ。 取材・文=岡本朋祐、写真=BBM 
千葉県市原市内にあるグラウンドにて。春夏を通じて甲子園初出場を遂げた2010年春センバツの記念石碑の横で撮影し、絶対的エース金久保優斗は決意を新たにした
窮地を救ったエース、昨秋躍進のシンボル
センバツ出場をかけた昨秋の関東大会目前、東海大市原望洋高は大ピンチに直面していた。同年8月、中学生練習参加規定違反の発覚により、濱崎雄作部長と相川敦志監督(当時)が登録変更。長年、同校野球部を支えてきた“両輪”の離脱に、チームは動揺を隠せなかったという。
30年以上、バレーボール部顧問(監督)だった井出治男先生が急きょ、野球部長に就任。「危機管理室長」の要職もあり、生徒の心のケアに当たった。大会前の初ミーティングで、部員にこう告げている。
「自分たちの力を出し切って、勝てば選手が良かったから、負けたらスタッフの指導力不足と受け止めてもらえればいい。失敗を恐れず、思い切ってプレーしよう」
この指示で、選手の肩の荷が下りたという・・・
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