今春、8季ぶりの関西学生リーグ優勝の立役者である。34イニングを投げて、失点2、自責1(防御率0.26)と圧倒的な内容でMVP、最優秀投手、ベストナインのタイトル3冠に輝いた。プロ注目の左腕が最終学年に飛躍した理由を探る。 取材・文=谷上史朗、写真=宮原和也 
奈良県生駒市の近大グラウンドにて。努力の積み重ねが今春の結果につながった
走者を置いてからの粘りが真骨頂
MVPに輝いた今春リーグ戦の防御率は実に0.26(34回で自責点1)。春先、ストレートがシュート回転し調子を崩したが、リーグ戦直前に持ち直すと、尻上がりの投球で近大8季ぶりの優勝に貢献した。182センチ77キロ。数字からは堂々たる本格左腕をイメージしがちだが、投球の印象はやや異なる。関西学生野球連盟のHPに掲載されている春のリーグ戦投手成績の欄に「WHIP」という項目がある。1イニングに許した走者の数を示すもので岡田の1.03はリーグ5位。同じく左腕で日本代表にも選ばれた
東克樹(立命大)の0.58と比べてもその差は明らかだ。もう1つ「LOB%」という項目もある。これは被安打、四死球、失点などの数値をもとに走者をホームへかえさない確率を示すもので岡田は94.3%(東は92.7%、3位は82.8%と大きく開く)。2つの数字は岡田の持ち味である粘りや打たれ強さを端的に表すものと言えるだろう。
「やっぱり、ノーアウトでランナーは出したくないですけど、背負ってから投げるのも慣れていると言えば慣れています。(走者は)あまり考えず、基本キャッチャー任せでやっています」
飄々とつかみどころのない雰囲気と・・・
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