目立った実績は残していないが、NPBスカウトはそのポテンシャルの高さに惚れ込んでいる。高校最後の夏、自身の目標である「プロ一本」を実現させる意味でも、投球内容が求められる。西東京のノーシード校は不気味な存在だ。 取材・文=上原伸一 写真=BBM 
昨秋は背番号1を着けたが、今春は10。その現実を深く理解しており、その悔しさは今夏の西東京大会にぶつけるだけだ
遠くへ飛ばす力と、速い球を投げる能力は「持って生まれたもの」と言われる。この2つの才が備わっているのが日大鶴ケ丘高の
勝又温史だ。同校を1997年から率いる萩生田博美監督は「特に速い球を投げる能力は入ってきたときから群を抜いていました」と話す。才を授けてくれた両親も学生時代はスポーツで鳴らした。母・朋子さんは剣道で全国大会に出場し、父・伸明さんはトライアスロン選手。姉・美穂さんも現在、明治学院大のラクロス部で活躍中だ。「勝又の身体能力の高さは血筋なのかもしれませんね」(萩生田監督)。
ただ、入学したばかりのころは「投手としては原石そのもので、まったく磨かれていなかった」。無理もない。勝又が投手に“復帰”したのは狛江ボーイズに所属していた中学3年春。1、2年時は外野を守っていた。投手をしたくなかったからだ。勝又はその理由をこう明かす・・・
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