九州学院高は個性を伸ばすチームだ。昨季は36本塁打を放ったヤクルト・村上宗隆が大ブレーク。昨年のドラフトでも両打ちの川野涼多が西武から4位指名を受け、2020年もスピードスター候補がいる。 取材・文=岡本朋祐、写真=BBM 
希望を持って歩んでほしい、との由来から「希」と付けられた。幼少時は「恥ずかしい」と思った時期もあったそうだが、今では「漢字一字でカッコいい」と、チームメートからも「のぞみ」と呼ばれる
捕手へのコンバートは、九州学院高における「出世街道」である。昨季、高卒2年目で36本塁打を放った同校OBのヤクルト・村上宗隆は高校1年秋、一塁手からマスクをかぶった。村上は同夏、県大会1回戦(対東稜高)の初打席で満塁本塁打の鮮烈デビュー。無安打に終わったが、1年夏にして甲子園の土も踏んでいる。
九州学院高・坂井宏安監督は基礎体力と「形」ができていれば、1年春から即起用する方針が根底にある。長打力のあった村上、遊撃の守備力のあった川野涼多(20年ドラフト4位で西武入団)は入学直後にレギュラーを奪取。脚力があった
牛島希も、1年5月のRKK旗から中堅の定位置を獲得した。同夏には一番打者として、東海大星翔高との熊本大会初戦の初打席で左前打を放ち、先輩・村上に負けないほどのインパクトを残している。
50メートル走5秒9で、2年秋の時点で高校通算24本塁打のパンチ力もある。「右の俊足外野手」として、九州でも際立つ存在に成長しているが、坂井監督はさらなる進化を求めた。準々決勝敗退(対城北高)に終わった昨秋の県大会後、牛島に捕手転向を打診した。村上は中学時代に経験したポジションだったが、牛島は小学校時代の紅白戦で守った程度。つまり、未経験の領域へとチャレンジさせたのだ。
「外野手ができることは、すでに分かっています。高校生でも『上』の・・・
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