昨秋は明治神宮大会をかけた九州選手権決勝(対九産大)で惜敗。ラストシーズンはチームを全国舞台(全日本大学選手権)へ導くことしか考えていない。結果を残した先に、希望進路が見えてくる。 取材・文=岡本朋祐、写真=上野弘明 
文武両道を貫き、教授でもある徳永監督の下で3年間、勉強も力を入れてきた
3月6日から16日まで予定されていた宮崎キャンプは、新型コロナウイルスの影響で、大学側からの通達により中止となった。練習環境も制限されるが、4月11日に開幕予定の九州六大学リーグ戦に向け、工夫しながら調整を進める。
合宿費用をねん出するため、部員たちはアルバイトをしてきた。居酒屋など飲食店で働く部員もいるがエース・
益田武尚は「接客は苦手なんです」と苦笑い。益田は障害者施設でトレーニングのサポート、プール監視などの仕事に当たってきた。こうした“技能”は地域創生学群地域創生学類を専攻する大学授業での実習が生かされており、定期的に少年野球教室、水泳教室などボランティア活動に積極的だ。
「高校のときはケガが多く、野球をあきらめようかな? と思った時期もありました。前を向いて練習していくうちに、東京や福岡の私大からもお声をかけていただきましたが、人間的にも成長できると思い、北九州市立大を志望しました」
父・和毅さんは嘉穂高、立命大を通じて右投手で、現在は社会科教諭として嘉穂東高の野球部を指揮する。益田は小学、中学を通じて目立った実績を残していない。ただ、飯塚二中時代はチーム事情により、登板過多で右ヒジを痛めてしまう。野球に力を入れる強豪私学へ進学する選択肢もあったが、益田は落ち着いて考えた。教育者・父の影響により「野球だけでは・・・
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