実戦機会が少なく、プロを目指す高校生としては難しいシーズンである。しかし、そんな逆境でも前向きに取り組み、技術を上げてきた。右の打てる遊撃手は、守りにおいても、安定感が出てきている。 取材・文=岡本朋祐、写真=BBM 
野球における「最高の環境」を求めて大阪から宮城へ来た。この3年間で心身ともに急成長している
多賀城市内にある仙台育英高の真勝園グラウンドで、須江航監督は言った。
「活動自粛期間を経て、明らかに成長している。ある球団のスカウトの方は昨秋の段階で『プロでショートを守れるか?』と評価されていましたが、十分、勝負できるだけのレベルに引き上げてきました」
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、チームは一時解散。185センチの右スラッガー・
入江大樹は4月中旬から5月末まで地元・大阪へと帰省した。うがい、手洗いなど、感染予防対策に講じながら、限られた時間内で体を動かしてきた。
「この期間で、差が出る」
幸いにも練習環境が整っていた。中学時代に在籍した堺ビッグボーイズには、専用グラウンドと室内練習場がある。入江はこの約1カ月、休まずに通い続けて、基本に戻ったという。仙台育英高の野球場は人工芝。イレギュラーがないため、どうしても“楽”をしてしまう……。同ボーイズのグラウンドは全面土であり、守備を見直すには最高の条件だった。「低い姿勢で捕球する反復練習を繰り返しました」と、下半身強化にもつながった。
持ち味の打撃強化にも力を入れた。
「次のステージでも活躍したい・・・
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