恵まれた体で、伸びしシロは十分だ。本職は投手であるが、打者としても、非凡な才能を秘めている。8年ぶりとなる夏の甲子園出場を目指す上では「二刀流」の活躍が求められるところだ。 取材・文=沢井史 写真=太田裕史 
グラブと帽子のひさしには「極」とある。エースの役割をまっとうしていく
2022年の対外試合解禁日(3月5日)。センバツ大会に出場が決まっていた東洋大姫路高と対戦したのは、滝川二高だった。東洋大姫路高の好右腕・森健人の調整ぶりに注目が集まる中、投げ合ったのは、当時1年生の
坂井陽翔。伸びのあるストレートを武器に東洋大姫路の各打者を詰まらせ、チャンスすら与えない。9回を3安打無失点に抑え、0対0で引き分けた。視察に訪れたNPBスカウトは「あの1年生投手は来年、間違いなく候補に挙がる」と、インパクトを残した。
播磨ボーイズ時代は3番手投手。小学校時代から中軸を打つほど打撃に自信があり、同ボーイズでも三番で右翼手を任されていた。「あのころは投げたくてウズウズしていました」。エース番号を着けた高松成毅が神戸国際大付高へ進み、坂井は県内のライバル校・滝川二高へ進んだ。
1年夏から背番号20でベンチ入り。赤穂高との3回戦で、2番手として登板した。1年秋から背番号1を着けた。年が明け、東洋大姫路高との練習試合で自信をつけた坂井は、2年生になると140キロ超のストレートに力強さが増した。右肩上がりの成長ぶりに「今年のドラフトでも上位指名される逸材」と、スカウトからの評価がさらに高まった。
教訓となった昨秋の敗戦
昨秋の県大会準々決勝。今春のセンバツ出場校でもある近畿大会準優勝校・報徳学園高との大一番に注目が集まったが・・・
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