第44回日米大学選手権で日本は2大会連続20度目の優勝を遂げた。侍ジャパン大学代表26人の一員として、貢献した153キロ左腕。確固たる取り組みで、大学球界を代表する投手へと上り詰めた。 取材・文・写真=小川誠志 写真=矢野寿明 
桐蔭横浜大の主戦投手としてマウンドを守ってきた。この責任感が今後のステージでも生かされるはずだ
6月の全日本大学選手権、仙台大との1回戦、先発した
古謝樹は9回まで被安打5、無失点、7奪三振と好投した。味方が点を取れず、0対0で延長にもつれ、タイブレーク方式の延長10回表に4失点し初戦で敗れた。それでも3回には自己最速を3キロ更新する153キロをたたき出し、NPBスカウト陣に強い印象を残した。
古謝は投手としての自身のアピールポイントをこう語る。
「一番、自信のあるボールは、真っすぐです。調子のいいときでも困ったときでも、真っすぐで押せる投球というのが自分の持ち味です」
桐蔭横浜大では2年春から神奈川大学リーグ戦のマウンドを踏み2年春、3年秋、4年春と3度のリーグ優勝に貢献。3年秋には最優秀投手賞、4年春は最優秀選手賞と最優秀投手賞を獲得した。
湘南学院高(神奈川)時代、球速は130キロ台中盤だったが、大学に進んでから20キロ近いスピードアップに成功した。2年の春に145キロをマークすると、3年春に初めて150キロを超えた。球速アップに伴い、現在の投球スタイルが作られてきた。
「ボールのスピードが上昇したことから、力が制御できなくなって、変化球でストライクが取れなくなった時期があったんです。それで真っすぐ中心の組み立てで投げるようになって、打者を抑えられるようになりました」
意識が変わった高校時代
野球をやっていた3学年上の兄・輝(ひかる)さんを追いかけ・・・
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