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尾崎完太(法大・投手)『自己ベスト』を極める150キロ左腕「ラストシーズンは、自分を超えたい」

 

2020年秋以来の天皇杯奪還を狙う上で、フル回転が求められる。1回戦の先発、2回戦の救援、そして、展開次第では3回戦も先発。有終の美を飾るため、積み上げてきた練習の成果を神宮で発揮していく。
取材・文=佐伯要 写真=菅原淳

独特な二段モーションぎみの投球フォームは自ら編み出した。マウンド上では身長175cmよりも、大きく見える


 好きな言葉は『最高いまだ見ず』。法大のエース左腕・尾崎完太は、小学生時代に所属していた南千里ジャガーズの小嶋修吾監督の言葉を今も大事にしている。

「これが最高だ」ということなど、ないんだ。満足せず、さらに上を目指して、今の自分を超えていけ――。恩師の言葉は、そのまま尾崎の軌跡を表している。

 セットポジションから右足を上げ、軸足一本で立つ。そこからいったん下ろしかけた右足を再び跳ね上げ、捕手方向へ。この二段モーションぎみのフォームから最速150キロの直球、110キロ台の落差のあるカーブ、スライダー、カットボール、ツーシームを投げ込み、1試合あたり9.51個と投球回数を上回る三振を奪う。尾崎は自分の投球について、こう語る。

「ストライクゾーンへ強い球や曲がり幅の大きな球を投げて、三振を取るのが自分のスタイル。一番気持ちいいのは、ど真ん中のカーブで見逃しの三振を取ったときですね。カーブには自信があります」

 小学5年生までは投手兼外野手で、八番・右翼手だった。6年時にはエースになったが、試合が終わると、いつも母・妙子さんに叱られていた。

「母はすべての試合を見に来てくれて、『コントロールが悪い!』『マウンドでの態度が悪い!』と。それをなだめてくれるのが父(彰宏さん)でした」。両親とのエピソードを明かすと、尾崎は笑みをこぼした。

 中学1年時は・・・

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