昨夏の甲子園8強・花巻東高は春季花北地区予選を1位で突破。5月17日に開幕する春季岩手県大会に出場する。チームの中心は地元・花巻市出身の逸材。投げて、打って、潜在能力が高く、あこがれの先輩を追う最終学年で飛躍が期待される。 取材・文・写真=佐々木亨 
地元・花巻市出身。幼少のころからこのユニフォームにあこがれを抱いてきた
藤原凛人は、生粋の地元人だ。岩手県花巻市の出身で、実家は花巻東高のすぐそばにある。幼いころは、祖父に連れて行ってもらった花巻東高のグラウンド横にある広場が遊び場だった。祖父の興さんは花巻東高の前身である花巻商高野球部のOBで、社会人野球の新日鉄釜石でもプレーした野球人だった。ゆえに、藤原にとっての野球は身近なものであり、地元の甲子園常連校は幼いころから親しみのある高校だった。
「小学校3年生だった2015年の夏は、祖父に連れられて岩手大会決勝を県営球場に観に行きました。同じ左腕の
高橋樹也さん(元
広島)がエースのチーム。純粋にカッコいいなと思いました」
花巻シニアでプレーしていた中学時代は、21年秋の明治神宮大会で本塁打を放つ1年生・
佐々木麟太郎を映像で見て興奮した。県外も含めて強豪校から熱い視線を注がれる中で、藤原が花巻東高に進んだのは自然の流れだったとも言える。
「中学生まではプレー中でも感情が表に出過ぎるなど、どこか自分自身に甘さがあったと思います。そこを変えたい、自分を変えるという意味でも花巻東高に入りたいと思いました。遠い存在ですが、
菊池雄星さん(現ブルージェイズ)や
大谷翔平さん(現ドジャース)のようになりたい。そこを目標に入学した部分もありました」
同学年投手の活躍を目の当たりに
花巻東高では1年秋に初めてベンチ入りを果たす。背番号は「17」。菊池や大谷、またはドラフト1位右腕として今季から
巨人でプレーしている
西舘勇陽、あるいは・・・
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