「監督」という重い肩書きも背負い、26年目のシーズンを戦うことになった谷繁元信。捕手としての自身の練習に加えて、監督として選手に目を配る毎日だ。さぞかし忙しいだろうと話を向けたものの、当の本人は笑ってそれを否定。その様子からは、Bクラスから巻き返そうとするチームの充実度が感じられた。変革のまっただ中にあるドラゴンズ、大いに期待できそうだ。 取材・構成=富田庸、写真=松村真行 「競争」を打ち出し見えた選手の姿勢
現在の球界最年少監督。だが、その表情からは気負いなど一切感じられなかった。春季キャンプでは年下の選手たちに囲まれる中、ベテランらしからぬ元気なプレーで存在感を示した。首脳陣の顔ぶれが一新され、前向きに変化しようとするドラゴンズの中心には、エネルギッシュな43歳、谷繁元信がいる。 監督として初めて迎える春季キャンプですが、思っていたよりはスムーズに進んでいるのではないでしょうか。コーチ経験の豊富な方が数多くいますし、僕がやりやすいように、また、若い選手を何とか上手にするようにと考えてやってくれています。僕は自分の練習をしながら“見る”というだけで。よく「忙しい?」と聞かれますが、こういった取材が入るくらいで(笑)。それほど変化はないですよ。
2013年を振り返ると、もっとうまくいったのではとか、何か違うのではないかなとか、頭の中にクエスチョンが出るシーズンでしたね。なかなか思うように事が運んでいかないというか、ピッチャーにしても良くなりかけたと思ったら、また調子を落としたり。ケガをしていた選手が戻ってきたと思ったら、また離脱したり。選手としてできることはやったはずですけど、どうしても結果につながらなかったということですね。
今季から監督兼任となるわけですが、この話を最初に聞いたのが10月4日、つまりシーズン最終戦の前夜でした。終盤くらいからそれらしき噂というものは出ていたんです。でも、最初に聞いたときは「本当に(監督の話が)来たの?」という感じでした。やろうと決めてから、チーム作りというものをいろいろと考えるようになりました。
11月1日、秋季練習から新チームが本格スタート。シーズンで勝てなかったわけですから、指導者側からは「競争」を打ち出しました。選手たちからは何とかポジションを取ろう、少しでもレギュラーに近づけるようにという姿勢が見えたので、良いスタートが切れました。

体制が変わり、一度は戦力外通告を受けた川上も再契約。ベテランが元気な春季キャンプとなった。写真右はOBの杉下茂氏
それよりまず、なぜ
佐伯貴弘を二軍監督に据えたのか。そこから説明しないといけません・・・
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