シーズン中恒例の『野球浪漫』が、2018年開幕までのオフ~プレシーズンにかけて、進化、飛躍、背水の陣に挑む男たちにスポットを当てる『2018年に翔(かけ)る──』に形を変えて再スタート。第1回目は巨人の中井大介だ。未完の大器と呼ばれたまま10年目を迎えた17年シーズンは、自己最多の90試合に出場するなどキャリアハイの成績を残した。だが、さらなる可能性を信じる挑戦者は決して満足することはない。中井大介、28歳。自らの能力を最大限に発揮するため、そして、長年目をかけてくれている指揮官を胴上げするため、11年目の進化を誓う。 文=西村海(読売新聞東京本社運動部)、写真=BBM 野手最年長のキャンプ、山田哲人似に打撃改造
パ・リーグ覇者の
ソフトバンクと、セ・リーグ3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がった
DeNAが日本シリーズでしのぎを削っていた2017年11月上旬、中井大介の姿は、宮崎にあった。若手主体で行われた秋季キャンプに、
小林誠司と並んで野手最年長の1人として参加していたからだ。
11年ぶりにCS進出を逃して4位に沈んだ巨人の秋季キャンプは6勤1休という厳しい日程で行われ、打撃強化を図るため、特に野手には過酷なメニューが課せられた。午前9時から約1時間半の早出特打に始まり、通常の打撃練習では4種類のティー打撃、ロングティー打撃、2カ所のフリー打撃の計7種目を各15分ずつ、約2時間ぶっ続けでバットを振り続ける。夕暮れの個別練習を挟み、室内練習場でのフリー打撃やティー打撃まで打撃練習は続く。1日のスイング量が1500を超え、手のマメがつぶれてテーピングに血をにじませながらスイングを続ける選手も少なくなかった。
このキャンプで中井が話題となったのは、捕手の練習に取り組んだことかもしれない。だが、中井自身は大きなテーマを掲げて臨んでいた・・・
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