和製大砲として期待されてきた。しかし幾度となくケガに悩まされ、思うように結果が出せない日々。そしてプロ13年目の男は、3つ目のポジションに挑戦する──。 文=島田明(中日スポーツ) 写真=小山真司、BBM 新たな主戦場へ
『六番、指名打者、
福田永将』。その名前が
コールされると、敵地・京セラドームに駆けつけた中日ファンから大きな歓声が起きた。交流戦3カード目の6月11日、
オリックス戦。現在の中日では外国人を除くと、数少ない一発の魅力を秘める男の復帰戦。ファンは待ち望んでいた。
「自分でもワクワクしています」。福田自身も胸躍らせていた。
会心の一発を放った際の鮮やかなバット投げが代名詞。中日が本拠地を置く名古屋では、常に和製大砲として大きな期待を集めていた。その期待が間違いでないと証明されたのが2017年シーズン。7月7日にこの年第1号本塁打を放ったのを皮切りに、3カ月で18本塁打をマークした。アーチストとしての才能を、プロ11年目にしてようやく花開かせた。18年からは選手会長に就任。名実ともにチームの中心選手となり、三塁のレギュラーとして、初めて規定打席にも到達した。
昨シーズンは打率.261、13本塁打、63打点。1年間プレーし続けて残した初めての数字とはいえ、もちろん満足などしていない。ただ、グラウンドに立ち続けたことで、見えてきたものがあった。「いろいろちょっとずつですけどね。1年間試合に出た中での課題が見えています」。1シーズンを駆け抜け、相手バッテリーの配球の移り変わり、そしてコンディションを維持するやり方など感じるものがあった。一方で・・・
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