今季は内野4ポジションで各10試合以上、守備に就き、守備率10割。2018年オフにヤクルトから移籍後、無失策記録を続けている。守備固めが中心ながら、今季はキャリアハイの106試合に出場。堅牢なディフェンスでファイターズを支える、替えのきかない存在だ。 文=金田正大(スポーツライター) 写真=高原由佳、BBM 
今季は一塁、二塁、三塁、遊撃を守った。各ポジションで光る柔軟な対応力は見事
3年目で初のお立ち台
まばゆい光を、照れくさそうに浴びた。10月9日の
ロッテ戦(札幌ドーム)。ヒーローは
谷内亮太だった。先発出場は、この日でシーズン6度目。決勝打を放つ活躍で、ヤクルトから交換トレードで移籍後3年目で、初めてヒーローインタビューが回ってきた。
「変な気分ですね。うれしいですけど」。ヤクルト時代にもヒーローインタビューの経験はあるが「(前回は)記憶にないです。覚えているのが1回、2回とかです」と笑った。
ヒーローインタビュー後、多く寄せられた反響の中には、印象的な言葉があった。
「日々、頑張っている成果じゃないか」。お世話になった人たちから、口をそろえたかのように同じようなメッセージが届いた。派手さはなくても、堅実なプレーの数々で窮地を救ってきた。ヒーローになったのも、地道な積み重ねが実を結んだからだと実感した。谷内自身も、どこか必然だと思えた。
華々しい活躍よりも、チームを縁の下で支える姿が印象強い。主に守備固めの途中出場ながら、今シーズンはキャリア初の大台到達となる106試合に出場。キャリアハイの昨季50試合を大きく上回り、出場試合数を重ねた。今季から新型コロナウイルスの影響で、延長なしの9回打ち切りルールに変更。谷内にとっては出場機会が増加する要因の1つになった。
「コロナになったことは、もちろん嫌でマイナスイメージしかないですけど」と苦笑いも、追い風となった。102試合で守備機会があったが、失策はゼロ。
日本ハム移籍後の無失策を、今季も更新した。
「そこは、特別気にしてはいないですね。ファームでは(エラー)していますよ(笑)。もちろんエラーしないことに越したことはないと思うんですけど、無失策がすべて良いかって言われたら、そうではないと思います。エラーしてでもアウトを取りにいかないといけないプレーも、もちろんあると思います。チームに貢献していく中で、そういう数字(移籍後無失策)ならいいですけど。だからと言って、捕れる打球を捕りに行かないとか、微妙な打球は人に任せるとか、そういうことはしたくない」 強みを伸ばし、武器にした。転機は・・・
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