球団ワーストの91敗を喫して断トツ最下位に沈んだ今季。低迷した最大の原因は打てない打線にあった。自身も一時は打撃で結果が出ずに苦しんだが、試行錯誤を重ねはい上がった。どん底を乗り越えた源田壮亮は、また一つ強くなった。 文=氏原英明 写真=BBM 多少の違和感
91敗を喫し最下位に終わった2024年シーズン。西武のキャプテンを務める源田壮亮には、はっきりとチームが沈んだ日のことが頭にある。
「(4月9日の)大宮のロッテ戦ですね。あの日の負けから何かちょっと狂わせてしまったな、みたいなものは、ずっと感じていました。その試合で負けに直結するエラーを僕がしているんですけど、そこから負けが続いておかしくなってしまったなって」 今季の西武ナインの苦悩を物語る象徴的なシーンとして6月11日の交流戦の
広島戦(ベルーナ)がある。1点ビハインドの9回裏のチャンスで打席に立った源田は一塁ゴロに倒れた。一塁へ向かった際には決死のヘッドスライディングを試みるもゲームセット。なかなか立ち上がれないキャプテンをその日先発したエース・
今井達也が駆け寄ったことで、話題となった感動的シーンだ。
「あの日が8連敗目だった。あの場面は、本当にセーフになりたかった。それでヘッドスラインディングをしたというだけだったんですけど、すごい責任というか、大宮の負けからずっと自分の中で悪くしてしまったということがあったんで、自分の成績も全然ダメで、苦しかったですね」 キャリア8年目を迎えたシーズン。源田は例年のように滑り出していた。キャンプから特にケガもなく開幕を迎え、シーズンがスタートした。
4月までの成績は打率.241、0本塁打。特段、好成績というわけではないものの、いつもの源田のようであり、調子を崩しているという印象ではなかった。
しかし、源田本人の中には多少の違和感があったという。
「数字的には悪くないんですけど、感覚が良くなかったんです。数字的には良くなくても感覚が良ければ大丈夫だろうと思えるんですけど、開幕してからのころは数字は残っていたんですけど、自分の中では納得がいってなくて。すぐに成績が落ちてくるだろうなって。たまたま結果が出ていただけで、しっかりとらえられていない中でやっていましたね」 変えないといけないことは分かっていた。しかし、成績が落ち込んでいるわけではなかったから、その状態の中で過ごすしかなかった。
ここにバッティングの難しさがあると言えるかもしれない。試合が毎日続いていく中で・・・
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