開幕から低迷を続けた西武が、7月は球団史上初となる1カ月で5度のサヨナラ勝利で、最下位を抜け出し、夏の反攻へと望みをつなげている。その口火を切ったのが、7月2日の日本ハム戦(西武ドーム)で劇的なサヨナラ弾を放った斉藤彰吾だった。チームを勢いに乗せた伏兵の一発。そこに込められた覚悟、そして常に意識する自身の仕事とは─。 取材・構成=田辺由紀子 写真=桜井ひとし、神山陽平、井田新輔 緊張の向こうに
──現在の体の状態、バッティングの状態などはいかがですか?
斉藤 バッティングは、7月は振れていた部分が今は多少鈍くなっているところがありますね。
─その要因というのは?
斉藤 ほんと、1つだけです。体力的な問題です。西武ドームでの暑さもあって、正直バテてきているところはありますが、でも、そんなのは理由にならないので、もうやるしかない。結果がすべてですから、そこは気持ちでやりたいと思っています。
──7月はバットが振れていたということで、7月2日の日本ハム戦(西武ドーム)ではサヨナラ本塁打もありました。まずはそのあたりからお話をうかがえればと思うのですが。2点差とした9回裏、一死二、三塁。どういう心境で打席に入りましたか。
斉藤 緊張はしていたんですけど、いい意味で開き直るというか……。自分、アガりやすいので。そこを、なんとか気持ちを落ち着かせて、打席には立ちました。
──過去、一軍でああいった場面で打席が回ってきたようなことって……。
斉藤 一軍では初めてでしたね。
──相手はクロッタ投手。
斉藤 めちゃくちゃいいピッチャーです。ただ、そんなに対戦もしていなかったので、ピッチャーの特徴とかはあんまり分からなかったんですけど。球種は頭に入れながら、打席に入って。でも、ほんと、来たボールをしっかりとスイングするっていうことだけを心掛けていましたね。
──クロッタ投手からは、7月16日の9回にもホームランを打っていますし、相性が良いようです。
斉藤 相性とかはないと思うんですけど……ほんと、自分でも分かんないっす。もう得意不得意とかないし、もう自分でも分からないです。

7月2日の日本ハム戦(西武ドーム)、2点を追う9 回裏一死二、三塁で2ボール2ストライクからの一振りで放った打球はライトスタンドへ。自身プロ初本塁打は、劇的なサヨナラ弾となった
──その後の試合でも、代走からそのまま守備に入って、打席が回ってくることもありますし、代打という場面もあります。終盤の大事な場面で、打席に入ることが多いですね。現在、得点圏打率も3割を超えていて(8月6日時点で.375)、そういった場面で心掛けていることはあるんでしょうか。
斉藤 もうほんとに、タイミングを合わせて、自分のスイングをするってことだけを心掛けているんです。ほんとに、そこだけですね。
──アガりやすいということですが、プロで7年目ですから、慣れたりはしませんか。
斉藤 全然慣れないですね。小さいときから人前に立つのが苦手なところがあって…
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